5610.2022年9月22日(木) 国連安保理事会の機能不全と日本の政治

 昨日岸田首相が国連総会で一般討論演説を行った。スピーチでは、ロシアのウクライナ侵攻を強く非難し、安保理事会など国連機構の改革の必要性を訴えた。日本は来年1月から安保理の非常任理事国を務める。国連機構改革のひとつは、5大理事国の拒否権行使に対する制度改革を求めたものである。「国際平和への脅威・平和の破壊及び侵略行為」を多くの国々が避難しながら、安保理が常任理事国の5大国の拒否権の行使によって機能しなくなるのが現実である。

 それは今年3月の国連総会緊急特別会合でロシアのウクライナ侵攻に対して、ロシアは直ちに占領地域から撤退するよう求めた日本を含む96か国の共同提案による非難決議を、常任理事国であるロシアが拒否権を発動したことにより、機能しなかったことから不満と疑問を呈せられた。この共同提案は、193か国中、賛成国は141か国で反対票を投じたのは、ベラルーシ、ロシア、北朝鮮、エリトリア、シリアのたった5か国だった。中国及びインドは、他の33か国とともに棄権した。

 5大理事国の賛意を得られなければ、いかに多数国から賛同を得ても提案は実現しないという多数決制度に逆らう前近代的なシステムを制度として生かしている国連事態の機能不全と非民主性を象徴しているようなものだ。

 岸田首相の提案が一歩でも前進し、最終的に5大国優位制度を排除することが出来るなら首相の努力が報われることになる。ところが、その岸田内閣の支持率が国内では思わしくない。数日前毎日新聞が行った世論調査によると、内閣支持率は「危険水域」とされる20%台まで落ち込んだ。7月には、支持率52%だったものが、8月には36%、9月には何と29%へ急降下してしまった。岸田内閣不支持率が高い大きな原因は、ひとつに7月に安倍元首相が殺害され、閣議決定だけで元首相の国葬を実施することを決めたことであり、もうひとつは旧統一教会との関係が曝け出され今以て闇の中という実態がある。他にも物価の高騰に対する政府の対応の拙さや、コロナ禍に国の対応の遅れなどの理由があるが、旧統一教会の関係と元首相国葬実施が大きく影響したものと思われる。

 ところが、この時期に立憲民主党と日本維新の会が、合意内容は限定的であるが、来る臨時国会で共闘に合意したというニュースには些か首を傾げた。いかに自民党がふらついているにせよ、日ごろ非難の応酬合戦を繰り返しているやや左寄りの立憲民主党が、右翼の日本維新の会と仮に条件付きとは言え、手を結ぶとは馬鹿げている。

 とにかく一番真面目に仕事をしない「人種」は政治家で、高いお手当をもらいながら、怪しげな宗教団体の言いなりになって世間を騒がせている。しかも怪しい行動歴が後から後へと暗闇から明るみに出され、闇は限りなく深い。内閣不信や国家の機能不全は、明らかに彼ら政治家の責任である。国会は休会が多いが、衆議院議員は465人、参議院議員は248人もいる。いっそのこと議員数を現在の半分程度に削減出来ないだろうか。

2022年9月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com