朝から断続的に激しく雨が降って台風14号の影響が遥か関東地方にも及んでいる。今月初めには九州地方を襲った大きな台風11号がのろのろと停滞していた。今日九州地方を襲った台風14号は、11号の後にやや遅れて12号、13号と同じころに発生しながら、この14号だけが生き残りじわじわと沖縄から九州を窺っていた。
正午のNHKニュースは、鹿児島、宮崎からの現地中継を交え台風関連のニュースだけしか放送せず、そのまま「素人のど自慢」の放映時間にまで食い込み、1時まで台風だけのニュースしか伝えなかったほど台風一辺倒番組になってしまった。
大げさとも言えるほど強力な台風を思わせる14号は、気象庁によると過去最大級のもので、沖縄を襲ったころは気圧が910ヘクトパスカル(hPa)という超弩級だったのには些か驚いた。午後7時になって九州に上陸して930hPaとなりほんの僅か衰えたが、かつて2大台風と言われた1961年の第2室戸台風が925hPa、その前年59年に襲来した伊勢湾台風が930hPaだったことを考えると気象庁の「過去最大級」とか、「数十年に1度しかないような災害を与える危険」のような過大な表現を見過ごすわけにいかない。実際これまで経験したことがない暴風や高波、高潮が予想されるとして奄美大島を除く鹿児島県全域に特別警報を出した。宮崎県には線状降水帯が発生した。JR九州では明日の九州新幹線の運行を始発から中止する。
今後14号は北北西に向きを変えて明後日には関東地方にやって来るようだ。今日1日中断続的に激しく雨は降り続いている。そこへ午后まで発令される有様である。それにしてもNHKの台風報道はやや過剰過ぎる。大相撲中継を普段観たことのない他のチャンネルへ押し出すようなやり方で、30分間相撲を観られなかったし、夜のサンデー・スポーツも台風情報が放送され、大幅に遅れて放映されたくらいである。
さて、今月29日に日中国交正常化50周年を迎える。国家同士の友好を祝う記念すべき年を迎え、本来なら両国の間で今後も友好国としてともに発展すべく祝典行事を行うところである。しかしながら、現在日中間の外交関係は必ずしも友好的なものとは言えない。その最たる理由は、中国側にある。近年経済力を背景に途上国へインフラ投資で資金を貸し付け、債務国を縛り付ける「一帯一路」政策や、海洋強国を目指して公海への領海進出などで、南シナ海沿岸諸国や欧米から警戒され、日本との間でも東シナ海の領海侵犯など、中国との前向きな話し合いは中々進まないからである。
中国は、元々国連重視を唱え、すべての国の主権と領土を尊重すべきであると主張していながらこれまでの中国の行為は、意に反してとても信用出来るものではない。特にロシアのウクライナ侵攻に際して、多くの国々の期待と要望を裏切ってロシアに秋波を送って来た。当然ロシアに対する制裁には参加せず、行き場を失ったロシアの資源輸出の主要な受け皿になっている有様である。日欧米がロシアに厳しく対峙している中で、中国はそのロシアを精神的にも物理的にもバックアップしているのだ。
こういう中国政府と国交50年を迎えることになったが、今後覇権国家となった中国政府とどう向き合って国交正常化を深めていったら良いのか。一向に先が見えないが、国民の関心も高いこと故、政府にはこの機会に是非ともこれからの「対中国政策」について国民に分かり易く説明してもらいたいものである。