イギリスのエリザベス女王が死去されてから連日女王の死を悼む報道が、イギリスをはじめ日本国内でも次々と伝えられている。19日に決まった女王の国葬が、世界中から惜別と感謝の気持ちで溢れている。
その一方で、同じ国葬でも日本国内では安倍元首相の国葬については反対の声が日に日に強まり、それが岸田内閣の支持率にも大きく影響している。各メディアの世論調査でも悉く岸田内閣支持率が低下しているが、直近の朝日新聞の調査では、内閣不支持率は発足以来最低の47%まで落ち、支持率41%を上回ってしまった。先月の調査では、支持率が47%で不支持率が39%だった。この1か月間に攻守所を変えてしまったのだ。
当初岸田首相は、国葬実施に積極的だったわけではないと言われている。今になって後悔しているようだ。実際自民党内にも政府と自民党の合同葬で好いという考えが支配的だった。それを決断力のない首相が、麻生太郎副総裁にすごまれ、決断したという背景があるようだ。これが首相の苦悩の始まりだったらしい。
昨日鎌倉市議会は「『国葬』実施の撤回を求める意見書」を可決し、岸田首相と衆参両院議長に提出する。近くの葉山町議会や、東京・小金井市議会も国葬を行わないことを求める意見書を可決している。他にも反対を表明している市町村がある。いずれも国葬に明確な法的根拠がない以上、国葬を行うのであれば国会で議論が尽くされるべきだと指摘している。
もうひとつ内閣支持率が急落した原因として、旧統一教会をめぐる対応の拙さが挙げられている。この1か月間批判に対して首相主導で手を打ってきたが、むしろ火に油を注ぐ形になり、批判は逆に広がった。このほど旧統一教会との関係について自民党議員へ行った「点検」アンケートで、前向きの姿勢を見せたように思わせたが、その結果を公表後になって申告し損なったとか、記憶になかったと申し出る議員が出て来る始末で、全体の信頼度が薄れている。誰でも分かりそうなことを申告は不必要だと思っていたとか、誤解していただけだとか、言い訳ばかり述べて、旧統一教会と手を切る覚悟が見られない。
今日になっても木原誠二・内閣官房副長官が、2016年に関連団体のパネルディスカッションに参加していたと後追い発表した。参加の証拠を見せられ参加したことを思い出したというお粗末な記憶力だが、こんなおつむで内閣の重要な業務をこなしていけるのだろうか。それにしても関係を持った議員らは、こんな好い加減な気持ちで国を代表する政治家と言えるのだろうか。
また、こんな闇のような組織との関係を構築した岸信介元首相の孫・安倍元首相の国葬、及び長年のズブズブの関係の中で旧統一教会色に染まった自民党員が主導する国葬を実施する岸田首相も旧統一教会に洗脳されていると言えよう。この事実を国民は知ってしまったのだ。立憲民主党幹部は「自民は地方議員らも教団とかかわりがある。隠せば隠すほど傷口が広がる」と指摘している。当分国政選挙はないが、今実施したら自民党は立ち直れないほどの惨敗を喫することだろう。