昨日実施された沖縄県知事選挙で現職の玉城デニー知事が、4年前と同じ佐喜眞淳・前宜野湾市長を破り2度目の当選を果たした。玉城氏の得票は33万9千票、佐喜眞氏は27万4千票で前回とほぼ同じ得票率割合である。選挙戦の焦点は、辺野古基地移設と沖縄経済の振興だった。玉城氏は前回同様に終始アメリカ軍の普天間基地の名護市辺野古への移設反対を訴え、勝利した。一方の佐喜眞氏は、県民の間に反対の強い辺野古基地移設問題を避けるように沖縄経済の活性化をアピールした。沖縄の経済がコロナ禍の影響もあり、最大の収入源である観光収入が落ち込んだことにより沖縄は今や苦しい状況に陥った。佐喜眞氏を支援する政府、自民党は辺野古基地移転に賛成なら、沖縄を財政的に支援しようというあざとい策を囁いたが、功を奏さなかった。
現在沖縄県には日本全国のアメリカ軍専用施設面積の約7割が存在しており、沖縄本島面積の約15%を占め、沖縄がアメリカ軍基地の島と称される所以でもある。しかし、アメリカ軍が落とすマネーも沖縄経済にとって重要であると言える。だが、いびつな基地経済に陥った沖縄を経済支援するとの条件で基地を認めさせるというのは、経済不況に苦しむ県民の弱みにつけ込むあくどい手法で、国がやるべきことではない。
基地反対派の玉城氏が勝利したからと言って、日本政府もアメリカ軍も沖縄県民の声を聞き入れることに二の足を踏む状況には変わりない。今後も玉城知事らは県民の気持ちを汲んで、辺野古基地移設に反対を続けるだろう。我々沖縄とは遥か離れた地域に住んでいる者にとっては、アメリカ軍基地が呈する好ましくない問題を、沖縄県民が我々の肩代わりをしてくれているのだということは心の片隅に留めておくべきである。玉城デニー知事のご健闘を祈りたい。
さて、去る8日に逝去されたイギリスのエリザベス女王の棺が、スコットランドのバルモラル城から車で6時間をかけてエディンバラに到着し、大聖堂に安置された。途中の沿道には大勢の地元の人びとがお見送りをして女王に最後のお別れをした。今日は、テレビのワイドショーでも女王について多くの話題が上がり、英王室と日本の皇室とのつながりや、1975年に女王ご夫妻が訪日された時のエピソードも随分話題となっていた。国葬は19日ロンドンのウェストミンスター寺院で行われる予定で、日本から天皇が参列される予定であり、岸田首相の出席も検討されている。
それに引き換え、27日に予定されている安倍元首相の国葬は、日本国内の反対の声もあり未だ主要国の出欠がはっきりしない。特に、問題になりそうなのが、中国が出席を公表しない間に台湾外交部が代表を派遣すると回答してきたことであり、一方今月末に日本と国交正常化50周年を迎える中国政府は、「台湾独立勢力が政治工作する舞台を日本は提供してはならない」と早くも警告を発し、ややもすると政治問題化する懸念がある。厄介なことにならなければ好いが・・・。