5597.2022年9月9日(金) エリザベス英女王崩御 享年96歳

 イギリスのエリザベス女王が日本時間で今朝亡くなられた。女王は一昨日ロンドンから820㎞離れたスコットランドのバルモラル城で、新保守党党首トラス氏を新しい首相に任命したばかりである。その時の写真を見ると杖をつきながらも立ったままトラス新首相と握手を交わしていた。公務を若干控えておられるようだったが、まだまだお元気そうで、このように唐突に彼岸へ旅立たれるとは思いも寄らなかった。新首相に会われてからほんの2日後の他界である。女王は今年4月に96歳の誕生日を迎え、5月には国王最長在位である即位70周年(プラチナジュビリー)をお祝いしたばかりでもある。それはフランスのルイ14世(72年)に次ぐ世界で2番目の長期在位国王となった祝典だった。それらを考えると女王は天寿を全うされたと言えよう。

 エリザベス女王の逝去によって国王の座は、長男であるチャールス皇太子に引き継がれ、正式にチャールス3世の誕生となった。これまでとかくスキャンダルの多かった73歳の新国王も、国王になったらもう目立つような不祥事はやらないだろう。

 女王は1926年生まれで、日本流に言えば7巡目の年女であり、私より1回り上の寅年生まれである。1950年女王がケニア滞在中に父ジョージ6世の崩御により思いがけず女王になられた場所、アバーディア国立公園内のツリートップ・ホテルを半世紀ほど以前に訪れたことがある。木の上のホテルを見学したが、樹上から見下ろすと真下にいろいろな野獣が集まっているのが見えた。女王もまさかそのような環境の中で女王の座に就くとは思いも寄らなかったのではないだろうか。ホテルは女王滞在の4年後に火災で焼失し、私が見学したのは、原型通りに再建された2代目だと後になって知った。

 イギリスの王室は日本の皇室と同じように思われているが、大分異なるようだ。日本の皇室は神武天皇が即位した紀元前660年に始まり万世一系で世界でも最古の王室である。それに対してイギリスの王室は、大分遅れて平安時代の1066年にフランスから上陸したノルマンディー公ウィリアムが、ノルマン王国を創始したのが始まりと言われている。そのイギリス王室はデンマーク王国に次ぎ、世界で3番目に長い歴史と伝統を有している。イギリスの立憲君主制に対して日本は象徴天皇制であり、イギリスの王室は長子が継承するが、日本は戦後の皇室典範により男子が継承することになっている。

 世界の要人から早速数多くの弔意を示されているが、天皇陛下も今日弔意を送られた。ウクライナ戦争の渦中にいるが、女王の生前会ったことがあるプーチン・ロシア大統領からも弔電が送られてきたそうだ。BBCは当然のように国葬はウエストミンスター寺院で2週間以内に営まれると伝えている。

 日英両国の王室の間には、150年に亙る交流があるだけに当然日本の皇室も国葬にはそれなりの対応をすることであろう。それに引き換え、日本国内では今安倍元首相の国葬に対する世論の反発が根強い。同じ国葬とは言え、2つの国葬は大分受け止められ方が異なる。どう考えたら良いだろうか。

2022年9月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com