5485.2022年8月27日(土) 安倍元首相国葬の是非

 ちょうど1か月先の今日9月27日に安倍元首相の国葬が行われる予定である。一般には国民の誰もがその業績を評価し、人格的にも優れた人を国家、国民が弔意を示しつつ彼岸へ送るというのが、国葬のあるべき姿であると思う。その点では、この度の安倍氏の国葬は、岸田内閣があまりにも拙速に実施を決めたことが、問題をこじらせたように思っている。国民の半数以上が反対する国葬をどうして決行しなければならないのか。国葬には、慣例として皇族方が出席されるようだし、各国からも首脳ら要人の出席が予想されている。アメリカからオバマ元大統領、ハリス副大統領、フランスのマクロン大統領、ドイツのメルケル前首相らの出席が伝えられている。

 安倍元首相の功績としてしばしば言われることだが、首相として通算8年7か月の歴代最長在任期間を推薦の切り札に上げるが、必ずしも安倍氏が優れた業績を挙げたということではない。自民党内にも政界にも対抗出来る有力な政治家がいなかったこともあり、在任期間だけを長所にしても説得力がない。確かに外交上は、あのうるさ型のトランプ大統領や、プーチン大統領ともさほどの引け目を取らずに付き合っていた。国内における実績としては、アベノミクスと言われる経済政策が一部には評価されている。

 しかし、マイナス面の言動も多かった。その最たるものは、森友・加計学園問題の国有地払い下げと、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との底知れぬ闇の関係であろう。前者については、公示価格を大きく下回る価格で学校建設用地を森友学園に払い下げ、それが問題視されると財務局職員に罪をなすりつけ、自死者まで生んだ。その森友学園の名誉校長となったのが、安倍昭恵夫人だった。それでも安倍氏は国会答弁で何ら疚しいことはなく、もしそれが事実なら首相はもとより、国会議員も辞めるとまで見えを切ったが、首相を辞めたのは他の理由であり、亡くなるまで国会議員を辞めることなく、むしろ自民党内で最大派閥のボスとなって政界内に隠然たる力を揮っていた。他にも私的な「桜を見る会」実施に当たり寄付を受け、公的資金を使い、公職選挙法違反及び所得税法違反の疑いがかけられていた。それらは、すべて元首相の死とともに追及されることなく忘れられ、表面的な功績だけが強調されいる。それでも保守的な自民党員は、ほぼ全員が国葬賛成である。二階元幹事長の如きは、昨日の記者会見で「国葬をやらなかったらバカだ」とまでうそぶいた。こんな世論を読めない発言をする政治家こそ「バカ」ではないか。

 今回の国葬に際して、閣議決定だけでことを進め、反対論が強いにも拘わらず国会で一切論戦がないまま、国費を使って実施する計画だけが先行している。しかも、前記の旧統一教会との怪しげな関係も問題である。今広く話題となっている旧統一教会との関わり合いが多くの問題を派生させているが、そもそも旧統一教会との最初の接点安倍元首相の祖父・岸信介元首相にあり、統一教会の暗い秘密が安倍元首相と旧統一教会を密接に結びつけたのである。こんな不条理な闇をそのままにして国葬によって安倍元首相を来世へ送り出すことが、倫理的にも常識的にも許されることだろうか。

 実際岸田内閣の大臣、及び副大臣、政務官の間に旧統一教会と関係を持った人物が実に多くいる。内閣も血だらけではないか。そのように血なまぐさくしたのは、誰あろう岸、安倍一族であることをよく考える必要があるだろう。

 今日新宿西口では国葬反対の大規模なデモが行われ、福島瑞穂・社民党党首や、作家の落合恵子氏らが声を大にして通行人に反対を訴えていたようだ。

2022年8月27日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com