先日来北海道、及び東北地方北部を襲った豪雨に、追い打ちをかけるように昨日から関東、東海地方に台風8号が接近しつつある。東北地方では今日再び豪雨が襲来し、決壊した河川も多く、テレビでは土砂災害警報を度々伝えている。台風は今晩東京を襲うようだ。
さて、去る8日アメリカのトランプ前大統領のフロリダにある豪壮な別邸を、アメリカ連邦捜査局(FBI)が捜索して最高機密書類を含む書類を押収してアメリカ国内で大きな話題となった。FBIが大統領経験者の私邸を捜索するという前代未聞のニュースにトランプ氏本人はもとより国民も驚いた。捜索令状によると国防情報の取り扱いを定めたスパイ防止法や、司法妨害に関する法律、公文書の取り扱いを定めた法律に違反した疑いで捜索したという。これに対してトランプ前大統領は、すべて機密解除された文書だとして反論している。
しかし、これは普段から常識人とは思えないトランプ氏だったからこそ起きたサプライズだったと言えると思う。仮に機密解除になった書類であるにせよ、書類持ち出しについてきちんと話をつけておけば、このような騒がしい事態にはならなかった筈である。トランプ氏の独りよがりの性癖と、公私の判断がつけられない性格が騒ぎの原因である。
この家宅捜査について、共和党関係者は猛反発して、ガーランド司法長官に説明を求めた。これに対して司法長官は、法律を適用しており政治的捜査だと反論している。それにしてもこのような前例のない事を起こす大統領経験者は、トランプ氏らしいと言えばトランプ氏らしい。
一昨年の大統領選においてバイデン氏に敗れて以来、選挙に不正があったと主張し続けて選挙の無効を訴え続けている。昨年1月には、トランプ氏支持者らが連邦議会に乱入したが、背後で糸を引いていたのは、誰あろうトランプ氏本人だったと見られている。いま問題視されている地球温暖化防止のためのパリ協定からの脱退、イランとの核合意からの離脱など国際社会を裏切るような行動は、良識的な国際世論に逆行する行為であるばかりでなく、国家間の信頼を損なうだけである。
このような人物がどうして共和党内で支持を得て、大統領にまで上り詰めることが出来たのか、いま以て理解出来ない。現在も再来年秋の大統領選を目指して支持層を固めるべく着々と手を打っていると聞いている。
だが、これほど気が短く理知的な行動を取れない人物が、世界最高の権力者であるアメリカ合衆国大統領の地位に再び就くようなことになったら、ウクライナ戦争どころではなく、プーチン大統領に対抗して核のボタンを簡単に押してしまうのではないかと考えるとゾッとする。良識的なアメリカ国民が、何をやらかすか分からないトランプ氏のような人物を、アメリカ大統領に選出しないよう願うしかない。
ついては、コロナの拡大が一向に収まらないが、昨日日本人感染者の累計が、1千5百万人を超えた。しかし、1千万人を超えたのが、ほんの1か月前の7月14日である。それまでの約2年間の感染者数を僅か直近のほんの1か月間で、その感染者総数の半数もの人が発症したというから、この1か月は驚異的な感染力である。こんなコロナ禍空気の中で、天候が勝れないお盆休みを迎え3年ぶりに行動制限のない自由を得たとて、果たして気ままに行動を満喫することが出来るだろうか。お盆休みが終わった途端に新規感染者がどっと増えないことを祈るだけである。