昨日田中富弘・世界平和統一家庭連合(旧統一教会)会長が、外国人報道陣を主に日本外国特派員協会で会見を行った。これまでのメディアの報道姿勢に不満をアピールするため、少々異例な形で行われた。田中会長は冒頭から教会に浴びせられている不本意な嫌がらせに対する不満を述べた。この会見自体普通のやり方とは少々異なっていた。会長は教会の立場を語り出したが、その主張は留まることなく、司会者が3度に亘って話を途中で停止するよう促したが、会長は当初予定の30分を遥かに超えて実に47分間も話し続けた。
会長は、冒頭世間を騒がせたことについて謝罪の言葉を述べたが、その後は1)過剰なメディア報道により信徒が被害を被った、2)霊感商法は過去現在ともに行っていない、3)団体の名称変更の認証に政治的圧力や介入があったとの憶測があるが、事実ではない、4)臆測に基づいた報道を行わないこと、などメディアに理解を求め、正しい報道を促した。会見の主旨は、信徒たちの生命の危険と、自分らの取り組みが変化を求められるならより良い変化を続けたいという意思の表明だと述べたが、あまりピンとくる説明ではない。特に政治との関わりについては、政治工作に関わったことはないとか、脱税や霊感商法の批判から逃れるために関わってきたのではないと主張した。これまで共産主義に対して明確に対峙してきたと、共産主義の本旨を本当に理解したうえで述べているのか、理論的に真面な共産主義と対峙するなどと言うこと自体僭越で、極右やヤクザと同じような主張のように思える。
昨日この会見が開かれたのは、韓国にある教会の本部からの指令に基づくものだと前参院議員の有田芳生氏は述べていた。記者会見で何を語ろうにも、多額の献金を求めて多くの家庭を破壊し、霊感商法により多くの人びとを破滅させ不幸に追い込む可能性の高い教会であることが誰にも分ってしまった。それにしても献金された資金が韓国の本部へ送られ、その恩恵はどこにももたらされていない。こういう新興宗教紛いの疑似宗教に没入させられる国民が数多くいることに暗然としている。
これほど悪質な団体が宗教団体を名乗り、多くの人びとを露頭に迷わせた。そんな新興宗教まがいの団体に岸信介元首相から親子3代に亙りずぶずぶだった安倍晋三元首相の国葬を死亡後に直ちに決定した、岸田首相の決断には理解し難いものがあり、首相も隠れ信徒ではないか。世論調査によると国民の半数以上が国葬に反対している。森友学園や「桜を見る会」問題を不透明な状態のまま反対の声に対して国費37億円を注ぎ込むことまでして国葬を行うことを、自民党員は誰ひとり疑うこともなく、何の呵責も感じないのだろうか。これではかつて国葬で冥界へ送ってもらった山本五十六や、吉田茂も彼岸であまり好い気持ちではないのではないだろうか。
安倍元首相の国葬について、是か非かもう1度考え直すことは出来ないものか。