今日は広島へ原爆が投下されてからちょうど77年目に当たる。例年通り平和記念公園で政府主催の平和記念式典が開かれた。松井一実・広島市長、広島市出身の岸田首相、湯崎英彦・広島県知事に続いてグテーレス国連事務総長がスピーチをされた。初めて出席されたグテーレス事務総長は、過去の惨状、犠牲者について述べた後で「~新たな軍拡が進んでいる。数千億㌦の資金を費やし、兵器の備蓄を強化している。世界には約13,000発の核兵器が保存されている。核兵器保有国が核戦争の可能性を認めることは許容出来ない。希望の光は、核兵器禁止条約の締約と核兵器の終末へ向けたロードマップを策定したことである。もう2度と広島と長崎の悲劇と惨禍を繰り返さないで下さい」という主旨の話をされた。世界で唯一の被爆国でありながら核兵器禁止条約を締約せず、核非保有国から恨めしい目で見られている岸田首相は、このスピーチをどう受け止めただろうか。
ついては、今日は阪神甲子園球場で全国高校野球大会開幕の日でもあった。こちらは例年とは違いコロナ禍により、開会式では昨日になって急遽選手の入場行進を各校主将1人だけにしか認めず、また選手の中に感染者が出た5校はプラカードを掲げた女高生が行進しただけだった。3年生選手にとっては最後の甲子園であり、心の中では全選手とも甲子園のグラウンドで手を振って仲間とともに行進したかっただろうと考えると気の毒に思える。全般的に制約が多過ぎて寂しい開会式だったように感じた。
ところで、このところコロナ禍、旧統一教会問題、ウクライナ戦線、台湾情勢への中国の威嚇等々相当うんざりしているところへ、国土交通省が統計資料の不正を犯したという朝日新聞の暴露記事に驚いている。主に建設工事受注の動態統計を巡る不正があったという。計算ミスもあったようだが、二重計上もあったようだ。しかも単一年度だけではなく2013年度分から20年度分までの長期間に亘って続けられていたというから呆れるばかりである。これだけ周囲が気付かなかったというのも異常である。気になるのは、この不正の数値が、国内総生産(GDP)にも影響していることである。国際的にも問題である。今年5月には、二重計上の影響で2020年度の統計が、3.6兆円も過大だったことが分った。しかし、つい最近になってまたもや国交省は13~20年度の統計が、34.5兆円も過大だったと公表したのである。今までにも度々判明したが、徹底的に追及して解明していなかったことが今日のスキャンダラスな実態を招いたと言える。官庁というところは、どこまで腐りきっているのだろうか。過去において会計検査院が問題を指摘し、国交省課長に報告していたにも拘らず、何らの対策も取らずこの体たらくである。これだけの不祥事を冒していながら責任者の名前すら上がっていない。これではこれほどの不祥事にも拘らず、責任者は自らの責任をどこまで取るのか分からない。役人同士が庇いあっているのだろうか。ひょっとすると国交省役人の中に、私利私欲を貪った者がいるのではないか。検察庁が徹底的に調査、追及し実情を解明する必要があると思うが・・・。
さて、最後にひとつ嬉しいことがあったことを紹介しておきたい。先月末に電子書籍化された拙著「八十冒険爺の言いたい放題」が、amazon Kindleの5日間のキャンペーンの結果、拙著は第5位にリストアップされたと出版社から通知をいただいたことである。トップ100位以内にアップされていれば、読者の目に留まりやすいので、今後の販売に期待がかかるとの出版社の話である。大変有難いことでもある。暫く楽しみに注視したいと思う。