5436.2022年7月9日(土) 安倍元首相の悲惨な死と英首相の派手な店仕舞い

 案の定というべきだろうか、安倍晋三元首相殺害事件について、今朝も新聞をはじめ、テレビ各局が取り扱っている。与野党を問わず国会議員のみならず、財界、有識者、一般国民からも卑劣な蛮行として厳しく糾弾されている。その中で、立憲民主党の小沢一郎氏の発言に対して、泉健太・立民党代表は不用意だとして、小沢氏に注意した。小沢氏は明日行われる参議院選応援のために東北地方を訪れていた。小沢氏は記者会見で「社会が安定して良い政治が行われていれば、こんな過激な事件は起きない。自民党がおごり高ぶり、勝手なことをやった結果だ」と語り、岩手県一ノ関市の街頭演説では、「安倍氏のこの災難は、むしろ自民党に有利に作用するかも知れない」と話した。確かに小沢氏の発言は的外れで穏当ではない。これは与党議員からの抗議ではなく、同じ立民党代表の当然のような注意に、立憲民主党としての節度を感じる。

 長期間首相を務め、各国首脳との外交交渉にも度々出かけたので、各国首脳からその死を悼まれている。今日国連安保理事会では、冒頭に安倍氏へ黙祷を捧げた。ワシントンの日本大使館にはバイデン大統領が訪れ記帳した。エリザベス女王からも弔電をいただいた。その他にも、インドのモディ首相、中国の習近平・国家主席、生前27回も会合したロシアのプーチン大統領らからもその死を悼むメッセージをいただいた。台湾では、首都台北市内の高層ビルの側面にネオンで「感謝 安倍晋三」の文字が表示された。

 なお、安倍氏の通夜は、参院選の翌11日、葬儀は12日に、昭恵夫人が喪主となって行われる。

 さて、安倍元首相の突然の死によって、取り上げるのが凝縮してしまったが、一昨日イギリスのジョンソン首相が突然辞任するというビッグ・ニュースである。NATO首脳の中でもウクライナ問題でロシア非難の先陣を切っていた首脳であり、国内的にはスコットランド独立問題や、EUから離脱したことに対する反論もあり、国内的に難しい時でもあった。やや軽率なスキャンダル続きによる、同じ保守党内からの辞任要求に負けた辞任表明であり、後継者はどうなるのかということと、今後政局の成り行きが注目される。

 首相辞任は唐突のように伝えられたが、スキャンダル続きで、同じ与党保守党内にも首相への批判が目立っていた。きっかけは首相と考え方が合わず、閣僚、及び政府の役職から辞任する議員ら50人以上が続出したことで、ついに首相もその職に留まっていられなくなり保守党党首の役から退くことになった。今後次期保守党党首が決まり、首相選出の手続きがある。次期党首が決定した後に、正式に首相を退くことになる。

 ジョンソン首相は、当初よりウクライナ情勢で積極的にウクライナを支援する先頭に立った。ジョンソン辞任の報を受け、ロシアではウクライナを武装させた「愚かな道化師」は正当な酬いをうけたとしてジョンソン辞任に歓迎の意を示した。ペスコス大統領補佐官に至っては「ジョンソン氏はロシアを嫌い、ロシアも彼を嫌っている」とまではっきり言明した。

 このジョンソン首相辞任には後日談がある。辞任を発表して早々に今月中に盛大に自らの結婚披露宴を行うとのサプライズである。引き際を静かに控えめにするのかと思っていたイギリス国民もこの報道には、些か腰砕けになったのではないだろうか。首相は昨年現夫人と結婚式を挙げたが、コロナ禍のため30人程度が祝った控えめなものだった。よほど派手に自らの結婚式を祝いたかったのだろう。とかくの噂のあった首相としては、最後まで賑やかに行動しようというのか、大々的にけじめをつけたいのだろう。イギリス流の終わり良ければ、すべて良しということだろうか。

2022年7月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com