5435.2022年7月8日(金) 安倍元首相遊説先で銃撃され急逝

 今日は青天の霹靂と言うべきか、滅多にない衝撃的な臨時ニュースにびっくりした。安倍晋三・元首相が、何と突然男に銃撃され亡くなられたのである。元首相は明後日の参議院選投票に向けて自民党候補者の応援演説に出かけていた奈良市内の近鉄線大和西大寺駅前で、元海上自衛隊員に銃撃されドクター・ヘリで奈良県立医科大病院へ緊急搬送されたが、治療の功なく午后5時3分に亡くなられた。享年67歳だった。犯人は取り押さえられたが、安倍氏の政治信条ではなく、態度・対応が気に入らないと無責任なことを述べた。現職首相ではないが、つい最近まで過去最長の首相在任期間を記録し、今も自民党内の最大派閥・安倍派の会長を務め、自民党内では相変わらず強い影響力を与えている。首相の座を去っても幾分右翼的発言を繰り返し、岸田政権の各政策にも防衛費の増額や、敵基地攻撃など何かと口出しする言動に私も些かうんざりして、一昨日の本ブログにも安倍氏へ対する皮肉を書いたばかりだった。

 ところが、案外安倍元首相とはか細いながらも接点がある。最初は学生時代に60年安保反対闘争に夢中になったのだが、その目指すターゲットは、安倍氏の祖父・岸信介首相だった。安保が終わってから、ソ連からボリショイ・サーカス団が後楽園へ来て妙技を披露した際、私たちより3列ほど前の最前列で岸首相家族とともに見学に来て、目の前でじっとしていられず走り回っていた坊やが晋三くんだった。そして一昨年8月元首相が慶應病院へ検査入院した半月前に私も人間ドックで検査を受けた。

 それにしても世界的にも治安が安定し、民主的な平和国家として海外各国から畏敬の目で見られている日本としては、思いがけない突発的事件発生に海外からの印象も悪いだろう。今から90年前に勃発した5.15事件の際、「話せばわかる」と言っていた当時の犬養毅首相が首相官邸へ乗り込んできた海軍青年将校らによって殺害されて以来の日本憲政史上の汚点である。その2年前には、東京駅で浜口雄幸元首相が右翼に銃殺された。更にその前年の1909(明治42)年には、満州ハルビン駅で朝鮮人・安重根によって射殺された伊藤博文元首相もいる。不幸にして安倍元首相が彼岸へ旅立ったのは、浜口ライオン宰相以来の元首相殺害事件となる。

 安倍氏の言動には、とても同意出来なかったが、さりとて暴力的にあの世へ追いやろうとの行動は、厳しく非難されるべきである。早くも外電は本事件について報道しているが、とりわけ在任中、「シンゾー」「ドナルド」と呼び合い、一緒にゴルフをプレイして意外にも気持ちが通い合ったアメリカのトランプ前大統領から「真の偉大な男である指導者、安倍元首相が銃撃されたのは打ちのめされるほど悲しいニュース」とコメントを発した。

 岸田首相をはじめ、政界の要人は口を揃えて民主主義をぶち壊すものだと非難しきりである。安倍元首相の急死については、各評論家も愕然としていた。しばらくはこのニュースで持ち切りとなることだろう。

2022年7月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com