5434.2022年7月7日(木) 関連する人口減少と疫病流行

 ♪ささの葉さらさら のきばにゆれる~♪ 今日は七夕であり、ロマンチックなイメージが、新型コロナウィルス感染拡大第7波に壊されやしないか気がかりである。この数日コロナ禍の急激な感染拡大が懸念されている。東京都でこの3日間連日新規感染者は8千人を超えた。他の自治体でもほとんど増えているが、特に西日本で急増している。直近の増加数を人口10万人あたりでみると、1位が沖縄、以下島根、熊本、佐賀、鹿児島、東京、大阪、福岡、大分、長崎の順で10位内に九州が6県も入っている。

 ついては、近年日本の人口が漸減傾向にある。総務省統計局が発表した今年6月1日現在の総人口は、1億2,493万人である。過去の動態を調べてみると江戸幕府が成立した1603年には1,227万人だった。それが明治維新(1868年)には3,330万人となり、終戦の1945年には7,199万人となり、その直後にベビーブームが起き、その10年後の私の高校時代は約8千万人だった。それが20世紀最後の2000年には12,693万人を数え、4年後には12,784万人でピークを迎えた。同時に少子高齢化の兆しが見え始め高齢化率が19.6%となった。今後の推計では、年々人口は減り、その反面高齢化率は高まると予測されている。2100年に予想される日本の人口が4,771万人に対して、高齢化率は実に40.6%と推定されている。これら人口減少は自然現象的なものであるが、その上コロナ禍の如きは、偶々降りかかった不幸な災いで人口減少の引き金になりかねない。このコロナ禍が早く終息しないと人類にとっても存亡の危機を迎えることになってしまう。
 実は世界史上にも、かつて栄耀栄華を誇った国家が人口減少により滅びた例はいくつかある。その典型がローマ帝国である。約500年間に亘り共和政を誇り、その後東西に分裂し、東ローマ帝国はペルシャによって、またAD476年には西ローマ帝国がゲルマン民族によって滅ぼされた。そのローマ帝国の崩壊の遠因も人口減少によるものだった。その人口減少は2世紀中ごろに流行った大規模な疫病だったと言われている。現代社会でも人口の自然減少をどう食い止めることが出来るか、検討する必要がある。また、もうひとつ人口減少の大きな原因になり得る病、コロナによって滅びる可能性があるやも知れない。

 ローマ帝国滅亡には、軍事費がかさんで財政が破綻寸前であるにもかかわらず、通貨を増発し、物価は高騰し、財政危機が経済危機、更に社会危機に拡大していったという一説がある。この現象を歴史家は「3世紀の危機」と呼んでいるが、現在の日本と重なって見えるというのが、ローマ史を研究している本村凌二・東大名誉教授である。

 だが、中世ヨーロッパには、赤痢、インフルエンザ、黒死病、ハンセン病など多くの伝染病が流行した。その中でも最も恐れられたのは黒死病、いわゆるペストである。14世紀に流行したペストは、17世紀にロンドンで再び流行し、3度目のパンデミックは19世紀半ばに始まり20世紀まで続いた。今流行っているコロナが、ペストと同じように世界中に拡大し、人口の減少、並びに人類の破滅へ拡大しないよう祈るばかりである。

2022年7月7日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com