5433.2022年7月6日(水) 税収過去最高、安易に防衛費を増額するな!

 財務省が昨日2021年度一般会計の歳入のうち税収について公表した。コロナ禍と円安の中で2年連続過去最高となったが、歳出がコロナ禍もあり大幅に増えているので、素直に喜ぶわけには行かない。税収は67兆円超で、所得税、法人税、消費税の主要3税がいずれも前年度より増え、総額で前年度を約6兆円も上回った。税収の内最も多かったのが消費税で、21.8兆円だったとは想像もしていなかった。給料は上がらず、そこへ物価値上げにより庶民の暮らしには厳しいものがある。

 そこで、来る10日に行われる参院選に当たり、各政党は消費税について公約で訴えている。ただ聞こえの好い減税にばかり有権者の目を向けさせようとしている傾向がある。与党の自民・公明党は減税には一切触れていないが、各野党はそれぞれ独自案を主張している。れいわ新選組が消費税廃止の他に、社民党が今後3年間の消費税をゼロにと言うのを筆頭に、日本維新の会が3%、立憲民主党、日本共産党、国民民主党が現在の消費税10%から5%へ減税を主張している。問題は現在の一般会計予算が毎年赤字であり、今でも歳入が少なく四苦八苦の末に借金予算を組み歳出額が圧倒的に多い現状を考えると簡単に減税するのは難しいだろう。況してやこの数年コロナ禍対策に予備費として相当額を充てた。消費税収入は税収の中でも最も多く、税収額全体の約1/3を占めている。これを減税したらとても国家財政のバランスを保つことは出来ない。

 それより安倍晋三元首相ら保守勢力が持ち出す防衛費用2倍論、或いは防衛費大幅増額論を抑え込む議論を展開する方がよほど説得力はある。コロナ対策により21年度一般会計予算の歳出額は、142兆円と大きく膨らんでしまった。いくら収入が増えてもその足元から無駄遣いをやっているのでは、いつまで経っても赤字財政は無くならないだろう。結局国債発行に異存する借金財政を維持しなければならない。コロナ禍が終息したら真剣に均衡財政への議論を極めてもらいたいものである。

 さて、アメリカ独立記念日の4日、アメリカのシカゴ郊外でまた銃乱射事件が発生し、7人が亡くなり多数の重軽傷者が出た。21歳の青年がライフル弾を70発も乱射していたらしい。アメリカでは、今年に入ってから4人以上の死者、負傷者が出た銃乱射事件は311件にもなるという。あまりにも残虐な殺人事件の頻発に、あの民主主義国家を自認するアメリカ国民が、どうしてこんな不名誉な殺人大国となるのを防ぐことが出来ないのかと、毎度のことながら理解出来ない。

 去る5月にテキサス州の小学校で起きた銃乱射で小学生19人と教師2人が殺害された。その直後にバイデン大統領は悲しみを堪えながら、銃規制への行動を起こすと言ったが、2歩前進1歩後退というのらりくらりの銃規制にしかならなかった。世界でも最低・最悪のアメリカ憲法により、銃の所持が保証されていることを盾に、アメリカ人は現代社会において世界中どこにも通用しない、銃の自由所持を認める悪法を廃棄する行動を起こすより、殺人事件が溢れる世の中を活かす自由を佳しとするアメリカ社会の常識と感覚に疑問を抱かざるを得ない。

2022年7月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com