5431.2022年7月4日(月) KDDI通信障害事故を2度と繰り返すな!

 一昨日午前1時35分ごろに通信大手KDDIが展開している携帯電話サービス(au)が、過去にないほど長時間に亘って通信障害が発生し、2日以上経った今日になって漸く障害は解消したようだ。過去には2018年にソフトバンクが約4時間半、昨年NTTドコモが29時間通信障害を起こしたが、今回の事故は64時間も続いたが、今晩時点でまだ完全回復というわけではないようだ。この通信障害により全国で3,915万回線のau利用者が影響を受けた。営業に関わる民間企業民間企業の外にも、気象庁のアメダスの百か所以上から気象情報を通信出来なくなったり、緊急の110番や119番もつながらず、救急車や山岳遭難の連絡も取れず、かなり広い範囲で難渋したようだ。また、沖縄では、auがトップ通信事業者のため、多くの問題が生じた。生憎昨日は沖縄に台風4号が上陸したため、普段以上に通信回線の利用が増えたが、通信出来なかったため医療介護、消防、交通などに衝撃を与え、混乱を拡大させた。これほど大規模で、長い時間の通信障害に監督官庁の総務省もオカンムリである。

 本来電気通信事業法は、緊急通報が可能な通信サービスの障害で3万人以上に1時間以上影響が出た場合は重大な事故と見做し、総務省への報告を義務付けているが、今回の障害は同法の規定を遥かに凌駕する事故であり、金子恭之総務大臣は、重大な事故と認識し、しかるべき対応をして行政指導などを検討すると発言した。

 これだけ大きな事故になると各業界に影響が大きいだけに、損害に対する補償の問題が生じてくるのも止むを得ないだろう。KDDIの約款には、24時間以上通信障害で利用出来なくなった場合は補償すると書かれている。ところが、記者会見で高橋KDDI社長は、まだ実態をすべて掌握したわけではないとして「いま一律に補償するということは回答を持ち合わせていない」と述べ、「今回の障害の内容をもう少しみたうえで補償について検討していく」と話された。しかし、黒猫ヤマト宅急便の集配人が配達先を確認しようにも携帯が通じず、近所の住民に尋ねて配達している様子をテレビで観るにつけ、これでは約束の日に配達出来ず、また届ける時間も相当遅くなることが予想され、配達業者にとっては大きな損失ではないかと思える。これが全国的に2日以上に亘って行われたとすると相当の補償をしなければならないだろう。仮に3,900万人の顧客に一人当たり1万円の補償をするとしたら、総額で約4千億円にもなる。被害の度合いもそれぞれ大分異なると思うので、そう簡単には被害額も定まらないだろう。いずれにしても大変なことだ。

 過去に大手業者が2度も事故を起こしているにも拘わらず、解決策を講じてこなかったのは問題だと思う。総務省は、罰則を規定するばかりでなく、防止策についても業界を指導して早急に防止策を策定すべきではないか。

 これからもっと大きな通信障害に似た事故が起き、大企業が全国的な混乱に巻き込まれたらとてもその損害は当該企業だけの努力では、カバー仕切れるものではない。それだけに、慎重に作業を進め、おかしいと感じたら原点へ立ち戻り徹底的に調査をして、事故を防ぐべく官民一体となって対処しなければいけない。KDDIにとっては大きな代償となっただろうが、顧客が納得するに足る補償をして2度とこのような事故を起こさないよう心してもらいたいものである。

2022年7月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com