5400.2022年6月3日(金) 国費支出の不備で悪事が増える。

 梅雨期の6月から消費者物価をはじめ、約3千品目の値上げが始まると伝えられ、今後家計へ及ぼす影響は計り知れない。その反面コロナ禍も漸く下火に向かい、日本でもマスク着用について議論が始まっている。一昨日コロナ禍対策で市内を封鎖していた中国の上海では、2か月ぶりに封鎖を解除した。日本政府も外国人の入国者を1日1万人制限から、2万人にまで拡大して、漸く鎖国状態を解くことになった。海外旅行も隣国韓国へ行こうという若者の人気が高いようで、かつてはノー・ビザだった韓国への入国に対して韓国政府は、日本人観光客にビザ取得を入国条件にしたため、韓国大使館領事部へビザ申請する日本人の長蛇の列が人目を惹いた。今日もその傾向は変わらず、長い列が続いていた。

 意に反して日本政府は、コロナ禍によりこの2年間海外出入国を制限したため観光業、交通業を中心に日本経済に大きな打撃を与えていたが、これから徐々に解消に向かうことを期待したい。コロナ前には観光業は大きな外貨収入を期待され、国家財政にとっても今ではドル箱と考えられている。コロナ前の2019年に外国人の来日者は、3,200万人だったが、昨年21年には、僅か25万人にまで減少してしまった。特に2015年からは、入国者が出国者を上回るほどの日本ブームを示してきたのに実に不本意である。インバウンド業界もホクホクだった。この勢いをもう一度取り戻し、旅行・観光業力世界一の日本の素晴らしさを世界の人びとに再び訴えたいものである。

 さて、このところ政府の思いやり支援のひとつ、コロナ対策に関して国の中小企業に対する持続化給付金支給に絡んで、これを悪用した不正受給が相次いでいる。特に、悪質だと思うのは、国税庁職員が勝手知ったる手口で元証券会社員や、学生らをグループ化して不正を指図して、総額約2億円を不正に受給したことである。この他にもこの道のプロと思える税務署員や税理士が関わり、持続化給付金に関する詐欺容疑で逮捕された不正は2020年以降全国で多数に上る。これらの他にも、家族4人で10億円近くも騙し取り、首謀者は海外へ脱出してしまった。

 どうしてこれだけ多くの不正が安易に行われてしまうのか、これは支払い制度に問題があると考えられる。支払い側にその原資は国民から取り立てた税金であるとの認識が甘く、手続きが安易に行われた杜撰さにあると思う。そこへ支払いのカラクリを知った内部の人間がじっくり調べれば、弱点や曖昧さを見抜けるのではないか。支払い側のチェックにも問題があると思う。複数で不正申告をチェックしていないのではないか。

 ある程度経済が安定すると、費用の支出にそれほど抵抗がなくなる傾向はある。話は大分飛躍するが、与党自民党内には財政健全化に対して必ずしも積極的でない政治家が大分いるようだ。その中でも最近声高に財政健全化推進本部に対して発言するようになったのは、アベノミクスを推進して借金を大幅に増やした安倍晋三元首相である。今や1,026兆円の国債残高(借金)を抱えるほどにまでなった日本の債務は、1975年から増え、アベノミクスが始まった2012年から国債発行高は急増した。安定した経済に財政支出積極論者が乗っかるといくらお金があっても足りなくなる。このところアベノミクスを批判する人物をいびっている安倍元首相がその典型とならないことを願う。

2022年6月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com