一昨日本ブログに取り上げた、ロシアのラブロフ外相が「ヒトラーにユダヤ人の血が入っている」との発言について、昨日プーチン大統領がイスラエルのベネット首相と電話会談をして謝罪した。イスラエルについてプーチンはどう考えたのか分からないが、本音はイスラエルを敵に回したくなかったと思う。今度のウクライナ侵攻についても国連で、その是非を採択した時、意外にもイスラエルはロシアを非難するのではなく棄権を選択した。これはロシアにとっては有難いことである。特に、ロシアは旧ソ連崩壊前に社会主義路線を歩んでいた当時、パレスチナ地区でアラブ諸国とともに反イスラエル的行動を取っていた。しかし、ロシアが覇権主義に近づくにつれパレスチナ解放機構(PLO)への支援から遠ざかって行った。これはイスラエル側に少し歩み寄ったパフォーマンスである。今世界中からロシアへの非難の声が上がっている中で、イスラエルを遠ざけるようなことになってはロシアにとって一大事となる。そんな打算から敢えてイスラエル首相に謝罪をしたのではないだろうか。その陰で張本人のラブロフ外相はどんな気持ちでいるだろうか。小学生が先生に叱られて、親が謝罪しているような童画を見ているようだ。
さて、アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)が、4日ITバブル期以来22年ぶりとなる大幅な金利の引き上げを決定した。昨今のアメリカ国内のインフレが高水準のまま続いて、市場に出回る資金を減らす量的引き締めが始まる。現在の政策金利水準が、0.25%~0.5%から0.75%~1.0%へ引き上げられる。アメリカの消費者物価指数は、約40年ぶりと言われるほどの高水準で市民の生活を直撃している。2年前に始まったコロナ禍の経済を支えるために始まったゼロ金利政策と量的緩和策からインフレ抑制へ向けた金融引き締めで、今後アメリカ経済はどう変化するだろうか。
なお、アメリカの金利引き上げに呼応するかのように、イギリス中央銀行のイングランド銀行も5日政策金利を0.25%引き上げ、年1%にすることを発表した。アメリカと同様に物価上昇率は前年同月比7.0%で30年ぶりの高水準となった。
これらの金利引き上げによって、日本国内では現在進行中の円安傾向が一層加速することが、懸念されている。建設的な手を打たないと今も上昇し続けている消費者物価が、一段と上がることになる。岸田政権で脱インフレを担当する鈴木俊一財務・金融担当大臣は、経済状況を把握してきちんと即応的対策を講じて欲しいものである。