5367.2022年5月1日(日) 大阪のIRカジノは実現可能か?

 新型コロナウィルスが相変わらず新規感染者を生んでいる。昨日までに日本全国で788万人の感染者が出た。一番感染者が多いのは、東京の143万人で、次いで大阪の89万人、3位が神奈川の70万人で、以下埼玉、愛知、千葉、兵庫、福岡、北海道、京都の順でやはり首都圏や大都市に多い。

 その第2位の大阪で今もめているのが、大阪市が総合型リゾート(IR)事業に公費を投入しないと約束したにも拘らず、公費負担790億円の支出を決めたからである。最近和歌山市が横浜市に次いでIRから撤退を申し出て、現在実施を検討しているのは、長崎と大阪だけとなった。住民から環境への悪影響を突かれて悩み多いところへ、IRへの支出により予想外の経費の負担が明らかになったことがもめている最大の理由である。長崎より地理的条件の良い大阪としては、すでにIRのために人工島には他にも2025年の開催を誘致した万博会場予定地がある。用地も約49㌶と想像もつかないほど広大であるが、埋め立て地特有の問題を抱えている。それが、土壌汚染対策、液状化対策、地中埋没仏の撤去などであり、この費用が膨大な額になる。約束に反してこれらの負担を大阪市が認めた。市は事業者に対して借地料を安くしており、そこへ新たな支出で財政的に厳しいものとなった。大阪市内部でも出資すべきか否か、意見が割れていた事情がある。そんな時に昨年12月大阪府、大阪市議会で市の負担を正式に決定した。2016年に松井市長が「IR,カジノに一切税金を使わない」との約束を見事に反故にしたのである。

 その原因のひとつに、かねてより大阪進出を希望していたカジノ事業者がコロナ禍のせいもあり、次々に撤退し、現在残ったのはMGMとオリックス連合の1者だけとなった。吉村大阪府知事と松井大阪市長は、MGM・オリックス連合に逃げ出されないよう懸命に食いついている。今後も彼らが強行に値下げ交渉をしてくる可能性もあり、カジノを成長の起爆剤と考えている大阪にとっても綱渡り的な物件になってきた。中止になれば、カジノを強力に推進してきた「大阪維新の会」にとっては、看板に傷がつくが、その一方賭博で環境が乱れることを懸念していた大阪市民はホッとするのではないだろうか。

 大阪のカジノ計画がなぜだか分からないが、死者こそ出ていないもののロシアのウクライナ侵攻の状態がイメージとして浮かんできた。どうしてだろう? カジノ論も早く収束させた方が傷つく者が少なくて済むような気がしている。

2022年5月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com