5364.2022年4月28日(木) 遭難した遊覧船会社社長のお粗末な対応

 去る23日に北海道知床半島沿岸で1隻の遊覧船が行方不明となった。その後26名の乗船者の内11名が収容されたが、死亡していた。残りの15名と船体は未だに発見されていない。遭難後今日が6日目になるが、日本列島北部の最果ての地でもあり、波が荒く海流が渦巻いていて悪天候の下では出航出来ない海域である。沿岸は絶壁が続き海は岩礁が多く船舶は危険であまり近寄れない。3歳の女児が発見された場所は、船が遭難したと予想される地点から、知床半島の東方14.5㎞も離れた太平洋上だったというからいかに潮の流れが激しいかが想像出来る。

 今日は海上が荒れるとの予報により、捜索活動は厳しい。北海道から九州まで全国から世界遺産の観光地を訪れた乗客の家族も斜里町を訪れ、絶望的な気持ちで捜索活動を見守っている。

 これほどの大事故に国土交通省も調査に乗り出すとともに、捜索に当たっている海上保安庁とともに遊覧船会社を調査している。

 昨日遊覧船会社社長が駆け付けた遺族や家族の前で説明会を開いたが、それまでにほとんど情報を提供することもなく遺族は苛立っていた。説明会では責任者である社長は漸く姿を見せたものの、家族には納得出来る説明が成されず出席者からは涙交じりに厳しい罵声や怒号が飛び交ったという。その後行われた記者会見でその一部を見た限りでは、記者たちからの質問にしどろもどろの応答だった。マイクを手放すや、土下座して謝罪の言葉を述べていたが、航空機に次いで、一旦事故が起きたら生命にかかわる可能性がある船舶を運航する会社の代表者にしては、あまりにも海上交通の安全基準のルールに疎く、無責任であることを示していた。

 この社長は、海のことも船のこともあまり詳しくなく、気に入らないと社員をすぐ解雇するという噂も流れていた。近辺の同業者とも日頃より親しい付き合いはなく、一匹狼的な行動が多く、そのため同業者から敬遠されるような蔭口も聞かれた。通常は各社とも明日から始まるゴールデン・ウィークに知床半島周遊ツアーを開始するが、この会社1社だけが抜け駆け的に遭難のあった23日に始めたという。同じ船仲間としてともに協力し合う気持ちがなく、それが他社から厳しい蔭口を囁かれる原因だろう。行方知れずになった船に傷があったので、そこから浸水したのだろうとか、船に位置を知るためのGPSがなかっただの、会社の無線用アンテナがへし折れていたとか、設備面での不十分な点まで露見して、社長は対応に大童だった。

 すでに遺体を引き取った遺族もあり、これから全国に散らばった遺族とも並大抵の賠償交渉では収まらないと思う。果たしてこのような無責任な社長が、言葉では遺族のために誠心誠意努めると述べているが、賠償交渉で問題はないだろうか。

 流石にこの社長の無責任な対応には、斎藤鉄夫・国土交通大臣も呆れ果てていた。国交省も安全管理に充分配慮した会社が業務に携わるよう、余程監督管理をしっかりしてもらいたいと思う。

2022年4月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com