5351.2022年4月15日(金) 中国、香港民主化の望みを絶つ。

 昨日の今日で思いがけないことに、昨日のブログにJR恵比寿駅の看板について書いたことが、今朝7時のNHKニュースでその続編が報道された。恵比寿駅のロシア語案内板を覆っていたカバーが外されて、以前のようにロシア語の案内が表れたとの放送に思わず苦笑せざるを得なかった。朝日朝刊にもその件が書かれていた。また、ネット上でもロシア語の案内表示が元へ戻ったと伝えていた。

 各メディアの報道から考えてみると、昨日のネットでロシア語の表示が隠されたと伝えられてからJR恵比寿駅には、ロシア軍がウクライナへ軍事侵攻したからとは言え、そのためにロシア語の表示を止めるのは一種の差別ではないかとJR東日本へ批判や抗議の声が寄せられ、JRでは元へ戻すことを決めたという。随分安易に隠したり、元へ戻したりするものだと思う。マイノリティに対する差別を研究するNPOは、「結果的に差別にあたり、消極的なヘイト行動に該当する」と言い、侵攻が始まってから「ロシアに関係することは叩いて良いとの同調圧力が強まり、企業がそれに過剰に反応している」と指摘している。

 全般的に現代社会では何事にも神経が繊細になり、些細なことであっても直ぐ反応するようになってしまった。それだけに一つひとつの言動に注意深い神経と心遣いが求められるようになった。私自身充分気をつけたい。

 さて、ウクライナとロシアとの戦闘が取り上げられている中で、中国のロシア寄りの姿勢が話題となり注目されている。その侵攻の間に香港の行政長官選挙の立候補受付が締め切られ、ただ一人立候補を表明していた強硬派の李家超氏の長官就任が確定した。民主派の追い落としを企んでいる本家中国としては、すでに立候補に民主派が出来ない厳しい条件を付けており、選挙以前から民主派を排除している。この時点で選挙は名ばかりのものとなっている。李氏は警察出身で、これまでの香港民主化運動の弾圧をリードしてきた治安機関のトップで、習近平総書記の覚えも目出度い。これにより、香港の民主化の希望は消え失せ、中国大陸と同じ政治及び社会体制が徐々に浸透していく。中国政府は、新疆ウイグル自治区、チベットに続き、今また香港も非民主的隷属地区へ貶めようとしている。

 1997年の香港返還以来、中国政府が香港市民に約束していた「一国二制度」は、完全に骨抜きにされてしまった。この事実を知ると新たに台湾問題が気がかりである。台湾の独立を中国政府は、「台湾は中国領土の一部」と主張しており、台湾についても「一国二制度」を認める筈がなく、今後台湾としてはアメリカの支援を得ながら、中国併合からガードして、中国が認めない存在になる立場を貫くのではないかと思う。心配なのは、中国と台湾との間にトラブルが生じれば、間違いなくその影響は日本の平和にも及んでくることである。

2022年4月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com