5349.2022年4月13日(水) 1㌦=126円台、20年ぶりの円安昂進

 このところ物価上昇が目立つようになった。日本銀行が昨日発表した2015年を100とする、国内企業物価指数の3月は112で、第2次石油危機の影響があった1982年12月以来、39年3か月ぶりの高水準になった。3月の価格水準は前年同月より9.5%も上昇し、今年2月の過去最大だった9.7%に匹敵する上昇率だった。それは新型コロナウィルスやウクライナ情勢の悪化による資源高や円安が主な原因である。

 アメリカでは3月の消費者物価が昨年より8.5%も上昇し、約40年ぶりの高水準になったという。この急激な物価上昇を抑えるため、3年ぶりに0.25%の利上げを決定した。しかもこのインフレ傾向が収まらない場合には、更に0.50%の追加利上げも検討するという。

 一方、日本の金融関係者は諸物価が値上げされている現状をどう考えているのか、アメリカとは逆に日銀では長期金利の上限を0.25%に抑え込む方針を維持しており、日米間の金利差が拡大した。その結果、円安相場が進み、昨日は6年ぶりの高水準である1㌦=125円台に達したが、今日は一層円安が進み凡そ20年ぶりに1㌦=126円台となった。何と先月半ばまで1㌦=115円台で推移していたものが、この1か月間に10円余も円安が進行してしまったのである。これにはウクライナ情勢によって制裁対象国ロシアから石油、天然ガス等が輸入出来なくなったことが大分影響しているが、今後この円安状態が続くとすれば、輸出にも大きな打撃となり、更なる物価上昇を招くことになる。
 ところが、最近下落傾向にあった株価が、円安と引き換えに東京株式市場では反転して一気に値上がりした。日経平均株価の今日の終値は、昨日より508円も値上がりした。

 ウクライナ侵攻については、アメリカのバイデン大統領がロシアの行為をこれまで戦争犯罪と非難していただけだったが、昨日になり我慢しきれなくなったのか、遂にロシアの行為はジェノサイド(集団殺害)であると一歩踏み込んで非難した。この日ウクライナ東部のマリウポリでは知事が、死者の数は2万人を超えたと発表した。

 また、コロナについては、感染者が世界で5億人を超えたと昨日ジョンズ・ホプキンス大学が公表した。今年1月に3億人、2月に4億人を超えたが、相変わらず新規感染者は、増え続けている。これでは、物価の上昇も止まらず、円安も益々進むことだろう。国民はだんだん厳しい生活を強いられるようになるだろう。

2022年4月13日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com