5345.2022年4月9日(土) 鉄道運賃もついに値上げか。

 大手私鉄のトップを切って東急電鉄が、来年3月に運賃値上げを実施する。新型コロナウィルスの影響を受けて乗客が大幅に減少し、その上コロナが終息したとしてもリモートワークを行う社会人が増えたようだ。そのため業績の回復が難しいと判断し、すでに国土交通省に対して値上げ申請を行っていたが、昨日値上げが認可され、来年正式にほぼ東急全線に亘って値上げされる。

 鉄道運賃の値上げは国の許認可事業ということもあり、そう安易には出来ない。これまで値上げされたことが少なかった事情もあり、鉄道運賃が高いという声はあまり聞かれない。東急は、平均13.5%の値上げをする予定であるが、家庭生活にとっては切り離せない必要経費でもあり、その値上げは各家庭にとって大変厳しい。その辺りを配慮したのか、東急では通学定期代の値上げは実施しないという。コロナの打撃を受けた他の私鉄も様子見をしており、近鉄をはじめ、他の私鉄各社も間もなく右に倣えということになるだろう。

 鉄道運賃が長い間据え置かれていたのはJR各社も同じで、最近値上げしたJR西日本の例は、国鉄3分割以来初めてだった。

 どれほど長期間値上げされなかったかは、私自身駅員として勤務した1963年の小田急電鉄の例では、新宿~町田間運賃は当時大人片道90円だった。それが今では380円で60年近くの間に4倍強となった。だが、この上昇率は他の物価の上昇に比べれば随分低い方だと思う。例えば、学卒新入社員初任給が、63年度は1万8千円だったが、今や平均23万円で13倍になっている。国家予算に至っては、63年度は2兆8千億円だった、それが今ではほぼ40倍近い107兆円である。

 いずれにせよコロナで私鉄業界のみならず、各民間企業は苦戦している。そこへ新たにウクライナ情勢によるロシアへの経済制裁により、物価に影響が表れ始めた。とうとう鉄道会社も泰然としてはいられなくなったということだ。懸念されるのは、コロナがいつ終息するのか予想出来ないことと、ウクライナ戦争も一体いつになったら終わるのか見通しが立たないことである。このまま現在の経済状態が続くとしたら、今後も商品の新たな値上げが考えられるだろう。

 さて、新年度へ入って間もないこの一両日は、会社の入社式や、学校の入学式が行われ、コロナ禍の折華やかとは行かないまでもフレッシュなイメージがある。今夕の朝日に入学式の写真が載っている。中でも1946年千葉県秋元村国民学校のそれが印象深い。私が入学したのは、その前年で終戦の年だった。親に手を引かれて学校へ向かう子供たちの服装や持ち物が懐かしい。何を持って、何を着ていたのかはっきりとは記憶にないが、学校へは入学後ずっと下駄ばきで通っていた。ランドセルなんか持っていなかった。写真で見る親の衣装も垢抜けない。贅沢は言えず、戦争中に出席した田舎の入学式と空襲におびえた幼児期の印象が、ウクライナ戦争の画像とダブってくる。

2022年4月9日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com