5344.2022年4月8日(金) 非人道国家ロシアという国

 今日はお釈迦様の誕生日であるが、世間はやかましい。一向にウクライナの戦闘情勢はクールダウンしない。ウクライナへ侵攻したロシアに対しては、各国が諸々制裁を科しているが、今日岸田首相は新たな制裁を科した。その中でG7の対応と足並みを揃えるためにロシア人外交官の一部に対して国外退去という極めて厳しい制裁を行うと想定されていた。しかし、意外にも国外退去を求める外交官は8名で、その中には大公使ら主要外交官は含まれていない。これでは、必ずしも厳しい追加制裁と言えないのではないだろうか。

 こんな時にロシアで上院議長を10年も務めたセルゲイ・ミロノフという大物議員が、「どの国にも願望があれば、隣国に領土要求を提出することが出来る。ロシアは北海道の権利を有している」とあまりにも非常識な暴論を無節操にも所属する政党の公式HPに表明したという。気分次第で北海道もいただきますよと言っているのだ。議長を長く務めた政治家の言葉にしては、あまりにも常識を欠き、外国に非礼である。こんなことを認めたら世界中の領土は、軍事大国の草刈り場になってしまう。ロシアは以前から、北方四島の領土権についても第2次大戦の戦勝国として、敗戦国からの戦勝品だから返還する気持ちは毛頭ないと公言しているが、これとて日本が世界に降伏宣言をして武装解除し、無抵抗になった8月15日直後に無法に上陸して占拠したものであり、国際法上認めがたい暴挙である。暴力国家ロシアは、今またウクライナに対しても、同じようなロシア覇権主義をむき出しにして世界中に侵略国家の顔を見せている。

 ロシアという国は幸か不幸か、国土が広すぎて政府が統治するにはとても手が回らない。国家を安定的に維持していくためには、自力だけではとても無理で他人の手を借りると言いたいところだが、そんな常識はなく、他人の手を奪うことだけを考えている。即ち、自国の経済力だけではとても国家を維持していけない。人口は1.4億人で日本とあまり変わらないのに、国土は何と日本の45倍もある。これではインフラを含めて国の隅々まで目が行き届くはずがない。そこでロシアは武力で他の領土を奪うことをこれまで歴史的に行ってきた。

 ロシアという国を知るには、首都モスクワを見るだけでは分からない。辺鄙な地方都市へ行ってみるとその貧しさが分る。インフラは整備されておらず、公衆便所は糞尿が流れ出し、シベリアやサハリンへ行けば、この現代においても未舗装道路がかなり目につき、貧しさが感じ取れる。これは事実であり、現状ではロシアが現在の経済力を保つためには、もっと積極的に持てる資産である、森林や地下資源を国外へ売り渡すことを積極的に行うか、他国からその資産を略奪するより手段はない。

 プーチンのような自己顕示欲の強い政治家がいると、地道に経済力を底上げする国策を講ずることなく、つい軍事力を増強して他国へちょっかいを出すようなことになる。ロシア人の本質的な人間性からよほど真っ当な政治家が現れない限り、今回のような軍事行動に出て自らの存在感を高めようとの強欲が現れる。

 どういう形でウクライナ戦を終戦に持ち込むのか、不明であるが、ロシアは国として少なくともプーチンのような独裁的な政治家を輩出させない仕組みを作らないと、再建ロシアにとっても、また同じ轍を踏むことになる。ロシア文学を読んでいるとロマンを感じて、ついロシアに憧れを感じるものだが、それこそが大きな落とし穴にはまることに気を付けないといけない。文学は文学である。

2022年4月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com