5339.2022年4月3日(日) 柔道の小学生全国大会中止

 今年から柔道の小学生全国大会が中止と決まった。今時珍しい決断だと思う。今ではどんなスポーツでも、県大会、地方大会、全国大会へと規模が少しずつ大きくなり、小学生から勝負に勝つことだけを目標としているような感じである。日本柔道連盟では、あまりにも勝つことに目が行きすぎて、柔道本来の楽しみである練習で会得した技で相手を投げることより、勝つために組手を争うことばかりしているという。むしろ「身体が丈夫になった」、「友達が出来た」、「新しい技を覚えた」という柔道をしたことが、将来その子の人生にプラスになれば、小学生はそれでよいとの考えを山下康裕・日本柔道連盟会長が明かした。

 これは何も柔道だけに限ったことではなく、学校スポーツの現場がずっと抱えている課題でこれまでとかく問題になっていた。中でも全国大会を目指す強豪校の練習風景では、日ごろから厳しい練習に加えて、しごき、或いは暴力やパワハラが課せられることがしばしば話題になる。

 今回の日本柔道連盟の決断は、他のスポーツにとってもひとつの試金石になると思う。稽古事には、いずれも多少の厳しさは必要であるが、毎日の練習が楽しいものでなければ、スポーツの本質とは相容れない。とかく勝負に拘り勝つことにのみ気持ちが向いて厳しい練習にばかり目が向きがちであるが、それではスポーツの楽しみを奪ってしまう。

 日本柔道連盟ばかりでなく、他のスポーツ団体も最終目的がプロ選手を目指すとの目標があるスポーツなどでは、日ごろからどうしても練習が先鋭化しがちになるが、少しは柔道の例を参考に、練習を全体的にクールダウンすることを検討してみても良いのではないだろうか。

 最近高校野球部内で監督による暴力行為が問題になり、監督が出場停止などの処分を受けることが、増えているように思う。かつて次男が高校ラグビー部員だった当時、菅平の夏季合宿で、当時別の強豪校監督が厳しい態度で、選手同士でお互いを往復ビンタするよう命じている光景を目撃したことがあったが、見たくもない見苦しいシーンだった。日本の学校スポーツ界には、昔の軍隊の影響を受けたようなスパルタ訓練が称賛される傾向がある。強くなることに異存はないが、それも行き過ぎるとむしろマイナス面が出て来る。学校スポーツは、あくまでアマチュアであることを忘れてはならない。他の運動部も少しは柔道界を見習ってほしいと思う。

 さて、一時は収束の方向へ向かっていた新型コロナウィルス新規感染者が、再びぶり返してこの1週間は前週に比べて連日上回っている。そういう緊急事態時において、昨日野田聖子・少子化・地方再生担当大臣が陽性となったが、今日新たに古川禎久・法務大臣の陽性が判明した。古川法相は、岸田首相の特使としてポーランドを訪れる予定だったが、濃厚接触者の疑いがあり、急遽特使は林外相に代わった。政治家も少々コロナに対する警戒が甘いのではないかと思う。これでは、国民に自粛を求めてもケジメがつかない。

2022年4月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com