5334.2022年3月29日(火)  桜満開、春よ 来い! 日本の春

 今や東京都内では桜の花が満開で、正にまたとない桜の見ごろである。銀行に所用があり、いつも自由が丘支店で用を足すのだが、今日は満開の桜を見んがために都立大学駅近くの支店へ出かけることにした。自宅からすぐ呑川緑道へ出て見事な桜並木を銀行近くまで桜のトンネルの中を感動しながら歩いた。桜花繚乱である。一輪の花も落ちておらず、実に見事なもので、ビッグイベント・チェリー・ショーと呼んでも好い。三々五々ご年配のご夫婦が連れ立って桜を楽しんでいる姿を見て、微笑ましく思った。

 良寛の辞世の句として知られる「散るさくら 残る桜も 散る桜」のように、今満開の桜もいずれ散ることになるが、どんな桜であってもすべて素晴らしいと詠っている。

 都内のお花見スポット・ベストテンは、①目黒川、②東京ミッドタウン、③千鳥ヶ淵、④上野恩賜公園、⑤隅田公園、⑥六本木ヒルズ、⑦六義園、⑧新宿御苑、⑨代々木公園、⑩靖国神社の順で、以下浜離宮恩賜庭園、日比谷公園、小石川後楽園、墨田区立旧中川水辺公園、国営昭和記念公園、小松川千本桜と続くようである。この内数か所しか訪れて鑑賞していないが、大体夜間の人工的な光による桜の方が見栄えが良いせいか、人気がある。とりわけ近年は、東横線中目黒駅近くを流れる目黒川河畔の桜並木の人気が高いようで、昨年はコロナのため取りやめたが、今年はナイト・クルーズが運航されている。

 桜と言えば、自然に浮かんでくるのは、小野小町が詠った「花の色は うつりにけりないたずらに わが身世にふる ながめせしまに」、紀友則が古今和歌集に詠った「久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ」、と「詞花集」で伊勢大輔が詠い、百人一首にもある「いにしえの 奈良の都の 八重桜 今日九重に にほゐぬるかな」が私の好きな3首である。

 やはりいつの時代でも桜は日本を象徴する日本の花であり、美である。百人一首の中に紀貫之が詠った「人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける」があるが、これも桜を想って詠ったものである。平安貴族が館で桜を愛でながら詠った桜を茅屋近くで思い切り愛でることが出来るとは、幸せというべきであろう。

 ただ、些か気がかりなのは、今夜から明日にかけて空模様が怪しいことである。出来るだけ長くその美しい姿で、人々の目を楽しませて欲しいものだ。

 今ウクライナや、アフガニスタン、ミヤンマーでは、国民は花を慈しむような気持ちにはとてもなれないと思う。自然に咲く花を静かに眺めて楽しめるのは、そういう国々の人たちに比べれば、遥かに恵まれていると思う。彼らにも一日も早く国の花を楽しむ日が訪れることを願って止まない。

2022年3月29日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com