5331.2022年3月26日(土) 北朝鮮が発射したミサイル「火星17」

 昨日北朝鮮が発射した新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」については、ロシアのウクライナ侵攻で欧米対ロシアの対立が深まっている隙間に行われたことに、国際社会はショックを受けている。岸信夫防衛大臣も「これまでの一連の発射とは次元の異なる深刻な脅威だ」と述べた。アメリカが受けた衝撃もとりわけ大きいようだ。

 トランプ前大統領が金正恩総書記と直接取引し、核実験とともにICBM実験中止の約束を取り付けようとしたが、まとまらなかった。だが、アメリカが無条件で協議再開を呼び掛けたが、北朝鮮は制裁解除を最優先に求めて無視した。北朝鮮にとって重要なことは、アメリカとの軍事力の差を埋めるための核戦力であり、ICBMは必要不可欠だとみている。将来の米朝協議を見越して核ミサイル開発を進め、「非核化」どころか「核軍縮交渉」に持ち込もうとの狙いもある。それらを考えて北朝鮮は発射に踏み切ったと考えられる。

 アメリカにとって今までのミサイル発射と比べて、より深刻に受け止めているのは、「火星17」が大型化し、飛距離も大幅に伸びて1万5千㎞以上を飛行出来ると見られているからである。そうなれば、首都ワシントンをはじめ、全米の都市がすべて射程距離内に収まる。韓国内でモンスターと恐れられているこの「火星17」については、今戦争中のロシアと北朝鮮の後ろ盾の中国が、従来から新たに北朝鮮に対して制裁を科すことについてアメリカと正反対の姿勢を示しており、国連の緊急安保理事会で一致して見解を示すことは、難しいと思われる。

 些か横道に逸れるが、「火星17」と呼ばれている、この「17」という数字は、イタリアでは最も忌み嫌われている数字である。その理由を調べてみると、「17」をローマ数字で書くとXVIIとなり、これを並べ替えるとVIXIとなる。これはラテン語でVIXIが、VIVO「私は生きている」の過去形になり、「私は生きていた」と言う意味で、墓石に刻まれる言葉だからだそうである。因みにイタリアでは、ホテルに「17号室」はなく、各空港に「17番ゲート」がなく、アリタリア航空では「17便」はなく、機内に「17列」がないほど徹底しているらしい。奇跡でも起きて「火星17」が、落下して墓石に刻まれることを願うばかりである。

 それにしても世界中から経済制裁を受けて、国内経済は行き詰まり状態で国民は貧しい生活を強いられているが、その中でどうして金正恩・独裁政権は巨額の経費を注ぎ込んでまでミサイル開発に熱中しなければならないのか、金正恩総書記以下共産党幹部の頭の構造がどうなっているのか覗いてみたいものである。

2022年3月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com