5330.2022年3月25日(金) うんざりする事件の連鎖発生

 世界はロシア軍のウクライナ侵攻で騒がしくなり、昨日も北太平洋条約機構(NATO)や主要7カ国(G7)の首脳らが、ロシアに対する制裁をどう加えるかと話し合った。その最中に東部マリウポリでは孤立した住民1万5千人がロシアへ強制連行されたとの情報が入った。そしてこの騒ぎの最中に世界の非難を気にもせず、毎度自分勝手に振舞う北朝鮮が、またICBM「火星17」を発射した。射程距離1万5千㎞と予想され、今までの弾道弾を遥かに上回る能力を有するミサイルだ。

 このような世界の騒ぎとはまったく無関係のような姑息なことが、国内の政界や、実業界で行われていることに情けなくなる。前者について言えば、かねてより釈然としなかった、国会議員に支給される文書通信交通滞在費(通称文通費)について、与野党間で名称と目的を変更し、月払いだった支払いを在職日数に応じた日割り支給することで合意したというのである。実質的には何の改正でもなく、言い繕っているだけだ。

 国会議員は基本的に昭和22年に決められた歳費、旅費及び手当等に関する法令によって支給額が決められている。衆参院両議員ともに、毎月129万4千円を支給され、年に2度のボーナス各314万円、計2180万円が支払われる。その他に政治活動を支える経費として毎月100万円が手渡される。実はこれが、文書通信交通滞在費(通称文通費)と言われるあやふやな費用で、使い道を明らかにする必要がなく、出費を証明する領収証も不要で、他にJR新幹線グリーン車も無料という手厚い待遇である。他にも秘書の給与3人分を支給し、議員会館に1室を用意され、東京以外の議員には、都心に宿舎をあてがわれるという厚遇ぶりである。今回特に問題となったのは、文通費が表面上1日でも在籍とあれば、1か月分が支払われるという理不尽さを国会議員自身が問題視したのである。ところが、議員同士お互いに特権を放棄する気はなく、従来と変わらず、表面的には改正したように見せかけているが、その実態は元の木阿弥という体たらくである。日本の政治家なんて自らの利得ばかりを考えているだけだということがよく分かる。

 もうひとつ後者について言えば、昨日SMBC日興証券副社長が逮捕された事情である。大手証券会社が、株価を操作する金融商品取引法違反容疑ですでに同社役員ら5人が逮捕されていたが、昨日彼らは起訴された。同社は2009年にアメリカのシティグループから買収した前後に法人部が頼ったのか、起訴された外資系の即戦力の人材だった。エクイティ部と呼ぶそうだが、何と‘EQUITY’とは「公正」と言う意味ではないか。その彼らが今回の相場操縦の主役だった。ただ、逮捕された副社長は親会社の三井住友銀行から派遣された。今後社長の責任も問われるだろう。行政処分も行われるものと見られている。

 いずれにせよ前記2件の政治、及び経済界の事件は、いずれも世間を舐め切っているとの印象が拭えない。

2022年3月25日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com