5328.2022年3月23日(水) ウクライナ大統領、国会で演説

 今日午后6時より、国会議事堂内の会議室でウクライナのゼレンスキー大統領がリモートによる生演説を行った。NHKが同時中継したので、ずっと目を凝らして観ていた。大統領は日本がロシアの侵攻と同時に援助の手を差し伸べ、アジアで最初にロシアへの制裁に踏み切ったと日本に感謝し、引き続き制裁をかけ続けて欲しいと述べ、日本の調和能力と文化に敬意を表し、日本とは価値観の基準が同じだと話した。国際機関に協力をお願いしているが、中々機能しない。国連をはじめ国際機関をあまり信頼出来ないようで、国連を改革する必要があるとまで述べた。最後に「ウクライナに栄光あれ!日本に栄光あれ!」とともに手を携えて苦境を乗り切って行こうとする意思を示した。終わって山東昭子参院議長が心はひとつと挨拶された。約12分間にしか過ぎなかったが、衆参両院議長以下国会議員が聴講した。岸田首相は感銘を受けたと話していた。外国の元首が日本の国会議員に向けてメッセージを画像で伝えるというのは極めて異例である。

 ところで、ウクライナ情勢と新型コロナウィルス感染拡大の話題が、大きく取り上げられ、とかく看過されがちだが、昨日参議院本会議で2022年度予算が成立した。野党の国民民主党が、野党間で存在感がないと見られていることに匙を投げたのか、これまでの立場を変え賛成に回ったのも前代未聞である。予算の総額たるや、何と過去最大の107兆5964億円である。私が大学に入学し、初めて経済学を学んだ1959年度の一般会計予算が1兆4千億円だった63年前に比べれば、ざっと百倍近くもあり雲泥の差である。中でも社会保障費35兆8千億円と、防衛費5兆3千億円はいずれも過去最大となり、コロナ対策のための予備費として今年度と同様に5兆円が計上された。特に防衛費の膨張は年々加速され、かつては一般会計予算の1%以内との取り決めが、今やその枠は取り外された。世界で第9位の軍事国家である。今やあのロシアの2020年度軍事予算が7兆1千億円であるのに比べてもそうひけは取らなくなった。

 ウクライナへのロシア軍の侵攻以来、中国の台湾侵攻が懸念されているが、最近台湾のシンクタンクが行った台湾国内の世論調査によると、台湾有事に備えて米軍の参戦を信じている人が、34.5%であるのに対して、自衛隊が参戦すると回答した人が、米軍を遥かに上回る43.1%だった。台湾の人たち日本への信頼が高いのは嬉しいことであるが、それほど期待されるのは迷惑千万である。それほど日本の防衛力は外国人から見ても強大に見え、頼りにされているようだ。しかし、日本国憲法には、日本は軍備を有しないとはっきり明記されている。このことを日本政府ももっと外国にPRすべきである。

 さて、アメリカのブリンケン国務長官は、21日ミヤンマーの少数民族ロヒンギャに対するミヤンマー国軍の迫害を「ジェノサイド(集団殺害)と人道に対する罪」に認定したと発表した。本件に関して私は機会を捉えて度々、持論を披瀝しているが、この迫害事態は確かに残酷なものと思えるが、その迫害の真の責任は、ミヤンマーではなく、仕掛け人であるイギリスにこそ問われるべき問題である。このロヒンギャを彼らの母国バングラデッシュから強制的にミヤンマーへ移住させたイギリスにこそ、その迫害の責任は問われるべきである。アメリカの調査も判断も甘い。ジェノサイドの原因を作ったのはイギリスであるということを忘れてもらっては困る。

2022年3月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com