5325.2022年3月20日(日) 弱者を痛め、手当たり次第に攻撃するプーチン

 今日東京では桜の開花宣言があった。一昨日、昨日は4月の並みの陽気と言われるほど暖かかったが、今日は少し冷え込んだ。その上夜間に雨が降ったために数日前まで満開だった庭の白梅がほとんど散ってしまった。昨朝は1羽の鶯が飛んで来たが、別れを惜しむ「ホーホケキョ」の鳴き声は聞かれなかった。残念ながら今年も鶯の美声を耳にすることはなかった。年々歳々自然の装いが消えていく。近所の空き地に数年前に何軒かの家屋が建築され、一層自然が姿を消した。周辺は家屋が密集しているわけでもないが、自然界とは縁遠くなって行くのだろう。書斎から外を眺めると宮前公園の桜の木が見える。これから桜の花を見て、春の風情を楽しみたい。

 今日駒澤公園に出かけた時、いつも通り河津桜が咲く一角に立ち寄った。先日満開だったが、昨日辺りから樹木に若葉が見えて来た。ピンク一色だった河津桜に黄緑色が交じるようになった。いずれ桜が開花する前にこの河津桜は散ってしまうことだろう。毎年同じ自然現象を繰り返しているのだが、それが季節感を感じさせてくれて感慨に浸ることが出来る。

 さて、16日に東北地方で起きた地震の被害状況を伝える以外に国内にこれという大きなニュースがないせいもあり、連日新聞のトップ記事はロシア軍のウクライナへの侵攻報道ばかりである。このところ南東部のマリウポリの市街戦が激化している。すでに開戦以来ウクライナを脱出したウクライナ避難民の数は350万人を上回ると言われているが、その1割に当たる35万人の市民がマリウポリ市内で孤立している。彼らは、ロシアが「人道回廊」などという市民を優先的に退避させるルートを設置したが、その実それは有名無実化している。悪しき前例として、2016年にロシアの支援を受けたシリアの強権政治のアサド政権が、アレッポの町で行った「人道回廊」と同じやり方である。ここでも多くの罪もない市民が殺された。

 プーチン大統領のウクライナ侵攻に際し理不尽で無慈悲なやり方は、8年前にクリミア半島の併合を一方低に宣言した時と酷似している。また、そのやり方も有無を言わせず相手国の信頼と弱みにつけ込んで強引に占領してしまう不条理である。

 日本にとっても無視出来ない案件が改めて浮上した。実は、17日岸田首相は参議院予算委員会で、北方領土について「ロシアによる北方領土の占拠については、法的根拠のない占拠であり、不法占拠という立場だ」と述べたが、2009年に当時の麻生首相が国会で「ロシアの不法占拠」と述べて以来この表現はなかった。北方四島は終戦直後、旧ソ連が降伏後の四島へ上陸して、国際法違反に当たる不法占拠をして以来不法占拠状態が続いているのである。その間プーチン大統領と安倍首相が蜜月の仲と言われて、首相はプーチン氏の機嫌を損ねないようこれまで「法的根拠のない形で占領」と遠慮がちに弱い表現でしか北方領土占領を糾弾するような表現してこなかったが、クリミア半島占拠がそうであるように、主権まで冒しかねないロシアの対応に、漸く日本も言うべき筋論を主張するようになった。とにかくプーチン大統領は、何でもかんでも近くにある物は、手に入れないと気が済まない覇権主義者の本性を遂に現したようだ。

2022年3月20日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com