5315.2022年3月10日(木) 忘れてはいけない77年前の東京大空襲

 昨日行われた韓国大統領選で、野党「国民の力」の尹錫悦・前検事総長が与党「共に民主党」の李在明・弁護士を僅差で破り、今後5年間韓国大統領として国を主導することになった。選挙前から予想されていたように際どい接戦になり、結果は最後まで分からなかった。尹氏の獲得した割合は48.56%、敗れた李氏が得たのは47.83%だった。これでは、李氏の胸中は複雑でとても諦めきれないものがあるだろう。いつもながら韓国国民の高い投票率には感心している。今回のそれは77.1%であり前回は77.2%だった。日本の国政選挙では近年投票率が漸減傾向に陥り、ほとんど50%台となって、3年前の参議院選では、50%を割って僅か48.8%の低投票率だった。有権者の内2人に1人は、確実に投票所へ向かわないことになる。その背景には、韓国では若者が政治に高い関心を抱いていることもあるが、その点日本の若者には政治離れが現れている。今夏の参議院選では選挙権が18歳に引き下げられるが、日本の若者たちは、せめて同じ世代の韓国人のレベルに近づくことが出来るだろうか。

 日本にとっては、過去最悪と言われる日韓関係を新大統領は、少しでも友好的な道へ伴ってくれるだろうか、些か気になるところである。その点では李氏に比べて尹氏の方が、日韓関係の改善に前向きだと思えるので、少しでも両国の関係が良好になるよう期待したい。

 さて、明日は東日本大震災11周年の日である。被災地の復興の様子など新聞、テレビ等でいろいろ伝えられるが、今日も一大被災を被った1日である。昭和20年、終戦の年の東京大空襲から77年が経つ。一説によると行方不明者も含めて約10万人の都民が犠牲になったと言われている。その中には朝鮮人も含まれている。原爆被災者は広島で32万人、長崎では18万人で、東京大空襲はそれに次ぐ大量戦争被災者の数である。それがメディアでは今日あまり大きく伝えられない。僅かに午后8:45のNHK「首都圏ニュース」が言問橋傍で行われた慰霊祭を伝えていた程度だった。これこそ戦争が伝承されず、戦争を知らない若者が増えて、若者たちから戦争への関心が薄れていくひとつの原因になってはいないだろうか。

 今激しい戦争状態に入ったウクライナへのロシア軍の侵攻の画面を観て、若者たちはどのように感じているだろうか。私自身太平洋戦争中に、空襲警報で急ぎ防空壕に逃げ込んだり、米軍機の飛来に地上へ伏せたこともあった。また、我が家の2階の部屋から米軍機が列車を機銃掃射するシーンを間近に見た。ベトナム戦争や、第3次中東戦争の現場でもつくづく戦争の恐ろしさも実感した。戦争の怖さを身体で感じる臨場感こそが大事であるが、例えその場にいなくとも臨場感を知ろうとする気持ちが大切である。如何なる戦争も罪悪である。戦争はこの世にあってはならないものと思い、他人事と感じないで欲しい。現代の若者たちには、心から戦争は止めなければいけないと思ってくれることを強く願っている。

2022年3月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com