5311.2022年3月6日(日) 中国の国際統計表数値のウソ

 昨年創立100周年を迎えた母校・湘南高校と同様、中国共産党も昨年創立100年を迎えた。その中国共産党の1党独裁による中国の全国人民代表大会(全人代)が、昨日開催された。世界的に景気停滞の中ではあるが、中国は2022年度の経済成長率を5.5%とすることを公表した。今や世界第2の経済大国にのし上がった中国ではあるが、海洋進出、人権蹂躙、非民主化などの無法ぶりが国債社会から厳しく糾弾されている。国防予算も毎年増やし続け、22年度予算では国防費が対前年比、+7.1%の約26兆3400億円となり、過去最大となって益々国防費の膨張が目立つようになった。この巨大な国防費はアメリカに次いで世界第2位であり、ロシアの22年度一般会計予算総額(約35兆7千億円)に近いほどの巨額である。他国のことではあるが、この巨額な国防費には、台湾海峡や南シナ海を巡って国際緊張が高まる中で不気味さが感じられる。中国政府が公表する数値で、特に気になっているのは、果たして中国政府が発表する数値が本当に正しいのかどうか、極めて疑問を感じるからである。

 例えば、それは単に個人的に調べてみたことでも分る。医学的に権威あるアメリカのジョンズ・ホプキンズ大学の統計資料として、毎日新聞紙上に公表される「世界の新型コロナ感染者」表を見ると中国の新型コロナウィルス感染者数が飛び抜けて少なく、極めて信用し難い数値だということが分る。

 具体的に数値を挙げてみよう。昨年7月1日まで中国全土のコロナ死亡者数は僅か4,847人だったが、翌2日に1人増えて4,848人となった。それが4,849人になったのは、実に2か月半後の9月14日である。アメリカや、ブラジルでは連日多数の死亡が伝えられ、死者総数が世界で463万人も出た時である。コロナ発症地でもある中国のあまりにも少ない数字自体が信じられなかった。その後2月14日に今年初めて4,850人目の死者が出てから、急速に死者数が増え始め、以後毎日コンスタントに死者数が計上され、3週間の間に1,341人を数えるまでに至った。昨日も188人が亡くなり、昨日までの死者数は6,190人にまでなった。

 世界中が同じようにコロナ禍に悩まされていた時に、中国だけは数カ月間ただひとりの死者も現れなかった異様にも拘らず、ある日突然何人かが亡くなり、以降毎日かなりの死者が出るというのは、あまりにも作為的ではないだろうか。今月に入って5日間だけでも895人が死んでいる。数か月の間にひとりの死者も出なかったのに、ある日をきっかけに連日のように多数の人が亡くなっている。この不自然さは、中国政府が国家として完璧な衛生面の整備をしていることを世界にアピールしようとの意図から生まれたものだとしか思えない。

 こんな世界中の人々を欺くような欺瞞行為を、よくも国家が平然と行えるものだと、その倫理観の欠落に呆れるばかりである。こういう偽善的なフェイクニュースは、医学界のみならず、世界中の人びとを疑心暗鬼にさせる。世界中のメディアも、資料を取りまとめているジョンズ・ホプキンズ大学のみならず、世界保健機関(WHO)やユニセフも中国政府や、中国の医学会に対して幾ばくかの忠告くらい出来なかったものだろうか。いずれにせよ中国という国は、世界に迷惑をかけるフェイクニュースを流出し続ける国であることを承知のうえで、中国が公表する数値が何であれ、信用すべきでないことを肝に銘じる方が賢明である。

2022年3月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com