5306.2022年3月1日(火) ロシア・ウクライナ紛争の最中、安倍元首相の不穏な発言

 今日から3月弥生である。弥生と言えば古来桃の花が見られる季節である。ところが、わが家では漸く庭に白梅が花を咲かせた。今年の梅の開花は、東京で2月1日、名所水戸で今日だという。わが梅は1か月も遅れている。それでも梅が開花すると、やはり季節感が違う。これで例年通り鶯が飛来してくれば文句なしだ。今日は気温も東京都内で18℃を記録、4月の陽気である。

 さて、ロシアとウクライナの停戦交渉が始まったが、それぞれの停戦条件がかけ離れていて交渉が妥結するかどうかは不透明である。そこへロシアの同盟国であるベラルーシがロシア軍侵攻作戦に加わることを決めた。一方、欧米が経済制裁として課すことに決めたSWIFT(国際銀行間通信協会)からロシア排除は、早くもその効果を表したようだ。ルーブルの価値が急速に下がり、ロシア国民はルーブルを米ドルに両替し出した。これにより物価は高騰し経済は悪化し、ロシア中央銀行は金利を一気に20%にまで上げた。これでは企業は堪らないだろう。しかし、これによってロシアの世界で第2の産出量を誇る天然ガス輸出が難しくなり、世界中でガソリン価格が益々値上がりすることになる。事を成せば、撥ね返りがあるものだ。

 今日国連は緊急特別会合を開き、演説した各国代表はロシアを相次いで非難した。四面楚歌の中でロシアは苦しい弁明をした。会合ではロシアの侵攻を国連憲章違反と断定し、ロシア軍の即時無条件撤退を求めるとともに、ウクライナに対する人道支援の必要性を盛った決議案を採択する予定である。

 世界中から非難を浴びているプーチン大統領は、ロシアは最強の核保有国のひとつであると述べたうえで、「抑止力を特別態勢に移す」との発言は、核戦争をちらつかせており、これにバイデン大統領も警戒感を表した。そう易々と「核」を持ち出されては世界中が迷惑するばかりである。

 折も折出しゃばり元首相安倍晋三氏が、日曜日のフジTVに出演して「日本は核不拡散条約(NPT)加盟国で非核3原則があるが、世界の安全がどう守られているかという現実についての議論をタブー視してはならない。国民の命、国をどうすれば守れるかについては様々な選択肢を視野に議論すべきだ」と発言したが、このことは、日本は非核3原則を廃棄して日本国内に核施設を設置すべきだと主張していることと変わらない。こういう微妙な時期に、しかも被爆国である日本の元首相が、よくもこのような核共有国宣言のような発言をするものだ。首相を辞めて大舞台から去った人物が、なぜ現役の首相以下を悩ませるような迷惑発言をするのか。この点については、昨日国会で立憲民主党議員から質問された。岸田首相は、「非核3原則を堅持するという立場から考えて、認められない」と出しゃばり発言をきっぱり拒絶した。OBは例え、現役と同じような立場にあっても現役に迷惑や負担をかけるべきではない。こんな社会人としての常識が、出しゃばり安倍にはまるで分かっていない。だから世間知らずのお坊ちゃんは困るのだ。

2022年3月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com