5396.2022年2月19日(土) ウクライナで戦争が始まるのか?

 どうもウクライナ情勢がただならぬものになって来たようだ。このところ連日のように、ロシアのプーチン大統領とヨーロッパ各国の首脳との直接外交交渉が交わされているが、お互いに一方も譲らず膠着状態が続いている。先日ロシアはウクライナ国境周辺からロシア軍を撤退させていると公表したが、直ちにそれは偽情報であるとアメリカ政府が警告した。その舌の根も乾かない内に、ロシア軍は国境周辺に最大19万人の軍隊に達したとアメリカが明らかにした。1月末時点から僅かの間に約2倍と急激に増えたことになる。ロシア外務省は、アメリカと北大西洋条約機構(NATO)に文書で合意する用意がなければ、「軍事的技術的な手段に訴える」とけん制し、一触即発の危機的ムードになってきた。

 昨18日アメリカのバイデン大統領が記者会見で、プーチン大統領は軍事侵攻の決断を下したと確信していると述べた。その理由として、ウクライナ東部で停戦違反が急増している他に、ロシアがウクライナは大規模な攻撃を仕掛けているとの偽情報を拡散させているのが、軍事侵攻を正当化するための下準備だと指摘した。この両国の関係が拗れるのは、ウクライナ東部にロシア系住民が多いことがある。親ロシア系の組織がウクライナ軍はこれらの地域に武器を配備し、攻撃の準備を整えていると警告してロシア系住民をロシアに避難させようとしている。

 どうして当事国の首脳は、すぐに「話し合いより力で」となるのだろうか。ひとつには、勝ち戦になれば、人気も求心力も高まり、国家のリーダーとして国を治めやすくなるということがある。プーチン大統領は、2014年にクリミア半島を力で奪ってから総選挙で圧勝した経緯がある。

 戦後77年となり、日本人の中にも戦争を体験した国民の数が次第に減り、戦争や戦争の怖さというものを知らない人が増えた。私自身の戦争体験としては、終戦の年、昭和20年に国民学校へ入学し、夏休みに終戦を迎えた。戦時中は、米軍機が飛来する都度けたたましくサイレンが鳴り響き、防空壕へ駆け込んだ。戦争の恐ろしさを子どもなりに身体全体で感じたものだ。その後ベトナム戦争中の戦乱地や第3次中東戦争の激戦地で、危機的体験をしたが、それが学生時代の60年安保闘争に参加し、憲法第9条の改定に反対している大きな理由である。今では国会議員もほとんどが戦争未経験者となった。それだけに国会に内に増えつつある憲法改定賛成者は、戦争の恐ろしさを知らない国会議員が多くなったからである。

 それは世界の政治指導者にしても同じである。注目のプーチン大統領ですら、まだ70歳にもなっていない。習近平も金正恩も戦争を知らない世代である。こういう政治家が国の権力を握り、外へ権力欲を発揮し出したら、地球上はどこも戦争だらけになる。

 戦争好きなプーチン大統領を何とか止める手段はないものだろうか。

2022年2月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com