5389.2022年2月12日(土) 問題が多過ぎる北京オリンピック

 今中国・北京で開催されている冬季オリンピックは、競技では連日賑わっているもののスポーツマンシップとは場違いな話題にも事欠かない。

 そのひとつは、ロシア・オリンピック委員会の女子フィギュア選手のカミラ・ワリエワ選手に禁止薬物の陽性反応が表れたことである。そもそもロシアは、2019年に国家ぐるみのドーピングにより、世界反ドーピング機関(WADA)から各種国際大会の4年間出場処分を受けた。ロシアは、昨年開催の東京オリンピック、パラリンピックにも出場出来なかった。実は、ロシアはそれ以前の2015年にも同じ処分をうけてリオ・オリンピックにも出場出来なかった。今年カタールで開催されるサッカー・ワールドカップにも出場出来ないのではないかと言われている。彼らの悪質な点は、個人で禁止薬物を服用するだけではなく、ドーピングに国がからんでいることである。またか?との疑惑が常に付きまとっている。

 今回のトラブルでは、ワイエワ選手がどの程度関わっていたのかははっきりしないが、昨年12月ロシアの大会における検査では、検体を採取して陽性の結果が出ている。このため先日行われたフィギュア団体で優勝したが、今以てメダル授与式は行われていない。国際オリンピック委員会(IOC)、オリンピックのドーピング検査を管轄する国際検査機関(ITA)、及びロシア反ドーピング機関(RUSADA)の間での協議、調整もままならず、RUSADAがワリエワを資格停止としたが、本人から異議申し立てがあり、処分を解除して参加を認めた経緯がある。だが、これに対してIOCが処分解除を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴する方針と伝えられている。
 一触即発の様相を見せているウクライナ問題と言い、昨今ロシアが絡むとどうも問題が厄介になるようだ。ロシアのメドベージェフ首相は、WADAの慢性的な反ロ・ヒステリーだと憤慨しているようだが、これだけ度々同じような反モラル的な事件を冒すのは、国家及び国民の体質に大きな問題があるのではないかとの疑念が消えない。
 この先行方がどうなるのか予断は許されないが、優勝候補筆頭のワリエワ選手が出場する女子個人フィギュアは、15日に行われる。日本が銅メダルを獲得したフィギュア団体の表彰式も行われておらず、前途多難である。

 今大会は、この他にもスケートのショート・トラックで優勝候補だった韓国2選手が失格処分となり、中国選手が金メダルを獲得した。この失格について韓国選手団は強く抗議している。更に、昨日スノボー・ハーフパイプで金メダルを獲得した日本の平野歩夢選手の採点が辛すぎるという声がSNSをはじめ、アメリカのTV局でも指摘された。決勝2本目では、予想よりかなり低く、本人も大分不満だったようで、3本目に一か八かでトライした結果漸く金獲得となった。

 大会終了後に問題が蒸し返されるか、はたまた没となるか。

2022年2月12日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com