5383.2022年2月6日(日) ジャンプで金メダルと「プリンスホテル」の身売り

 昨日開幕した北京オリンピックの開会式について、早くも功罪相半ばするコメントが伝えられている。開会式全体の運営は、ハイテクを駆使したセレモニーとか、3Dディスプレーなど先端技術でなされた演出などとして評価が高い。しかし、最後の聖火点灯のシーンで、最終走者に新疆ウィグル自治区の女子クロスカントリー代表選手を選んだことについて、一部で波紋を呼んでいる。アメリカや西欧諸国が中国の新疆ウィグル族など少数民族弾圧に対して厳しく中国を非難している。これら反対する声に対して、中国は漢民族と少数民族が団結した姿を見せることによって批判に反論する政治的な意図があったのではないかと見られている。

 大会は始まったばかりだが、17日間の開催期間中に本来のスポーツの競い合いとは別の問題が発生する可能性がありそうだ。早速昨日男子モーグルで堀島行真選手が銅メダルを獲得し、今日は男子ジャンプ・ノーマルヒルで小林陵侑選手が今大会日本人初の金メダルを獲得した。

 さて、最近は企業の動きで驚かされることが多いが、西武HDが保有する名門プリンスホテルなど国内の30施設をシンガポールの投資ファンドに売却する方針とのニュースはショッキングだった。これも新型コロナウィルス感染の影響が大きいようで、西武HDとしては昨年度に続き、今年度も2年連続で赤字決算になるようだ。西武HDの子会社「プリンスホテル」は49ホテルを運営し、その内41ホテルを所有しているが、売却後も49ホテルの運営は行い「プリンスホテル」の名前はそのまま使用する。但し、プリンスホテルの中でも看板ホテルの品川、高輪、軽井沢のプリンスホテルだけは売却せずに、あくまで所有して運営する方針のようだ。

 西武グループと言えば、安定した経営を続けていた首都圏の大手私鉄・西武鉄道を中心にして地方鉄道、デパート、不動産、ホテル、スーパーなど多くの子会社を束ねて、それぞれが一流の企業と言えるものだったが、堤一族が経営から手を引き、時代の趨勢や、消費者の購買動向の変化もあって、近年は各業界でトップ・レベルを保つことが難しくなっていたようだ。

 箱根の開発では、西武と小田急の抗争が大きな注目を浴び、一時代を画して小説の題材にまで取り上げられたくらいである。芦ノ湖畔には、箱根プリンスホテルが存在しているが、20年ばかり前に宿泊したことがあるが、それも今では天下の西武グループが経営する「プリンスホテル」というような傑出した高級イメージは、今や薄れている。時代も変わり周囲の環境も利用客の好みも変った。それにしても、先日東急グループの東急ハンズがカインズ(CAINZ)に身売りされた例もあり、大企業でも中々思うように安定した経営を営めない時代になったということだろうか。

2022年2月6日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com