5381.2022年2月4日(金) 北京冬季オリンピック開幕

 今日は立春である。暦の上では春になった。北京では冬季オリンピックの開会式が開かれた。この開会式には新疆ウィグル族民主化への弾圧に対する抗議を込め、西側首脳が外交ボイコットをしたが、欧米諸国の反対の声を押し切ってグテーレス国連事務総長が出席されたようだ。冒頭に中国国旗・五星紅旗を何人ものリレーで手渡しして掲揚台に掲げ、中国国歌を斉唱していたが、東京大会ではコロナ感染を警戒して斉唱はなく演奏だけだった。ゼロコロナはどうなったのか。入場式を観ていて、かなりアフリカや中南米諸国の参加が目についたが、どんな種目に参加するのだろうか。一般の観客は入場させず、厳しいゼロコロナ策で対応している。また、ロシア選手団が入場したが、ロシアは出場を認められていない筈ではなかっただろうか。

 この冬季大会も回を重ねるごとに、日本は力をつけ、獲得メダル数も着実に増えていく。今大会も取らぬ狸の皮算用で早くも獲得メダル数の予想が見られるが、日本選手の活躍を期待したい。

 開会式としては、今流行りのITを駆使したカラフルな光線などで華やかさを演出したり、後から後から洒落たパフォーマンスが表現され全般的に洗練された演出だったと思う。難点を言えば、スタジアム内が暗いせいと、観客が少なく寒々とした雰囲気のせいで全体的に隙間風が吹くようで、スタジアム内の一体感があまり感じられなかったことがやや惜しまれる。。

 地元の中国では、昨日春節に入った。例年だと国中が民族移動のように10億人単位の人びとが故郷へ里帰りをするが、今年は昨年に続き新型コロナウィルスの影響で移動もままならず、例年に比べれば静かである。

 ところで、今日の朝日朝刊に建築家・安藤忠雄氏の手術歴、病歴を読んで驚いた。安藤氏は現在80歳だが、バリバリの現役で立派な作品をいくつも残し、今も創作活動を続けられている。何よりびっくりするのは、がんで2度に亘り手術をして、5つの臓器を全て摘出したとても信じられないドキュメントである。今も毎日インシュリン注射を打っていてこれが厄介だとぼやいている。これだけの手術を受けて元気に生きていられることこそ信じられない。臓器が「ないなら、ないように生きる」と逞しい言葉を述べておられ、1日1万歩を歩き、昼食は1時間かけて食べ、その後は読書をしながら休憩を取り生活のリズムを整えているという。これほど逞しく生きて行ける人はあまりいないように思う。

 安藤氏は家庭の事情もあり、十分な学校教育を受けられず、建築に関する知識はすべて独学だというからすごいと思う。安藤氏が人生で感銘を受けたというか、生きるヒントを得たのは、20代のころ初めてヨーロッパを旅して、ローマのパンテオンで天井を見上げたら円形の穴があり、そこから光が入っていたことに気付いたことだという。私自身もこのパンテオン内で頭上から日光が入り込んでいるのを不思議な感覚で見ていたものである。格別エモーショナルなことはなかったが、20代で海外を歩いて行動することは、何かに感動し夢と希望を感じるものである。

 さて、昨日の本ブログにロシアが北大西洋条約機構(NATO)に対してウクライナがNATOに加盟しないことを保証するよう要求し、そのためにウクライナ国境周辺でのロシア軍による威嚇を非難したが、今朝の朝日社説でも同じ論調で、「『ウクライナ危機』ロシアの主張は通らぬ」と訴えている。但し、社説ではアメリカの責任も重いとアメリカを批判もしている。というのは、アメリカが旧ソ連時代に結ばれた中距離核戦力全廃や、迎撃ミサイル制限の条約を失効させたことが、ロシアの疑心暗鬼を強めたからだと主張してもいる。それでも、現状は第2次世界大戦後ヨーロッパにおける最大の危機とも言える。

2022年2月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com