5351.2022年1月5日(水) 核保有優位国の身勝手な声明

 今日は小寒である。まだまだ厳しい寒さが続く。新年が明けてから新型コロナウィルスの感染が勢いを増して、今日は2,638 人の新規感染者を出し、9月26 日以来初めて全国で2千人を超えた。いよいよコロナ感染第6波がやってくるような気配である。

 東京都内でも今年に入ってから1日79人、2日84人、3日103人、4日151人、今日5日390人と急激に増えている。全国的に感染者が増えているが、とりわけ沖縄県の新規感染者の増え方が異常である。1日52人、2日51人、3日130人、4日225人、5日623人とうなぎ登りである。ここには本土と大きく異なる事情がある。在日米軍基地が大きな感染源であり、基地から市内へ外出した米軍兵士が土地の人を感染させるケースが恐れられている。2日には怒りを露わにした玉城デニー知事が、記者会見で県内の新変異株オミクロンの拡大は米軍由来であると決め付けた。米軍にも抗議し、政府にもアメリカへ対策を促すよう申し入れた。米軍は、日米地位協定を盾に、コロナへの注意喚起を要請してもすぐ対応策を取るということはない。いかに危機が迫ろうともこれまでの例からして、申し訳ないとすぐ対応するということはない。それほど日本はアメリカに見下されているのだ。そのアメリカはコロナ発症以来、あまり厳しい制限を行わず、いつもユルフン状態だった。そのせいかどうか、3日には国内の新規感染者が、実に108万人を超えたというから一瞬耳を疑ってしまう。アメリカ政府はコロナ感染についてもう少し配慮すべきだと思う。日本人に対しても誠実に神経の行き届いた細かい対応をしてくれることを要望したい。

 話題は変わるが、いつも身勝手なアメリカを中心とする、国連常任理事国の米英仏中ロなど大量の核兵器を保有する5カ国が、核軍縮へ向けた異例の共同声明を発表した。核兵器保有国間の戦争を回避し、お互いの取り組みの重要性を確認するためのものだという。他にも各兵器を余裕する国々は、インド、パキスタン、イスラエル、イラン、北朝鮮などがあるが、この共同声明自体が茶番であり、とても信用することが出来ない。最近になってイギリスは密かに核兵器を増やしているし、スローガンは立派だが、それぞれ5カ国が核軍縮をすぐにも実行するとは到底思えない。その骨子にある「核戦争に勝者はなく、決してその戦いはしてはならない」とか、「核なき世界という究極の目標をめざし、安全保障環境の創出に向けて全ての国家と協力」と綺麗ごとを並べているが、それならすぐにその具体案を検討して実行に移すべきではないか。周囲の環境は、北大西洋条約機構(NATO)との対決で国家の存在が脅かされれば核で反撃すると主張しているロシアや、米中対決の高まりから核弾道を増やす考えの中国の存在を考えると、この共同声明は絵にかいた餅に過ぎないと思う。

 中国は、将来的に核兵器の全面禁止と徹底破棄を訴えてはいるが、アメリカが中国を上回る核戦力保有の現状から、アメリカが先に核軍縮を進めるべきだと共同歩調を取らないようなことを言っている。国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長はずばり言ってのけた。「彼らは素晴らしい声明を記したが、実際には逆のことをしている。彼らは軍拡競争をし、常に核戦争の始まりに備えている」。図星である。

 そんな隙間を縫うように、北朝鮮が今日5カ国声明に逆向する弾道ミサイルと思しき物体を日本海へ発射した。さあ5カ国は、今後どんな核軍縮を実際に行うのだろうか。

2022年1月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com