5345.2021年12月30日(木) コロナ禍で消えたインバウンド業の夢

 もう10年も前の資料であるが、手元に2011年1月4日付日本経済新聞特集版がある。タイトルは「ようこそ 外国人客」と題してこれから成長を期待されるインバウンド業の現状と見通しについて書かれたものである。東日本大震災の2か月前で、海外旅行、とりわけインバウンド業の発展は著しく成長路線を歩み始めたころのわくわく感を盛った記事である。今となっては徒花となってしまったが、当時の頼もしいインバウンド成長戦略が紹介されている。特に近隣国の中国と韓国からの観光客誘致のためのあの手この手で企画されたツアーが中々興味深い。

 「成長へ奥の手」と称して、富裕層に狙いを定めた医療ツアーとして観光と人間ドック受診をセットにした医療ツーリズムとか、韓国ドラマでロケ地となった鳥取県を韓国人にアピールするツアー、中国人オリンピック選手を招き野沢温泉スキー場で中国人にスキーを教えるツアー、大型クルーズ船で博多港に来日して長崎市内やハウステンボスなど九州内を新幹線で巡って観光を楽しむツアーなど、多彩な催しと企画が紹介されている。しかし、観光業の実情はご案内の通りコロナ禍の影響を真面に受け、今では外国人は水際対策のため入国すら出来ない有様である。

 観光庁としては、今年の外国人来日観光客を2千5百万人と見込んでいた。それが完全に思惑外れとなり、取らぬ狸の皮算用となってしまった。今年はあと2日と残り少なくなってしまったが、現在のコロナ感染拡大の状況を考えると、しばらくの間コロナが終息する期待は持てない。これは各国共通の悩みであろうが、日本では漸くインバウンドの有難みが分り、基盤も固まり、その発展の期待があり、その成長の可能性が見えていただけに本当に残念で腹立たしいことでもある。

 ついては、このコロナのせいもあり、明後日元旦に母校湘南高校グランドで行われる湘南ラグビー祭に参加しないことに決めた。OBと現役が一体となって楽しむ恒例のお祭りであり、今まで毎年のように参加していた。それが今年は、コロナの急速な感染拡大、及び車を処分して電車になってコロナ市中感染の恐れと、妻の体調と5日の妻の手術などを考慮して残念ではあるが、今回は不参加と決めた。今年正月はコロナ禍のため中止だったが、2年ぶりのラグビー祭が盛り上がることを期待したい。

 ところで、今年も年賀状を書いて24日に近くの郵便局へ届けた。年々歳々送る数が少なくなっている。今年はじり貧で4百数十枚だったが、最近いただく訃報を考えると恐らくその数は来年以降も減少していくことだろう。今日送った年賀状の内1通が「あて所に尋ねあたりません」として返送されてきた。早速宛先の知人にメールで住所を確認すると正しいことが分った。正月明けに郵便局に再配達するよう言わなければならない。それにしても最近の日本郵政は簡保保険や局長の言動、土曜日の配達中止など顧客サービスの低下が著しい。困ったものだ。

 年賀状に関しては、書くに当たって住所、氏名の確認をし、送る相手の顔を思い浮かべながら万年筆で書く習慣は昔から変わってはいない。小学生から大学生まで5人の孫たちにも、1枚ずつ書いた。彼らにもいつまでも年賀状を書く習慣をつけてもらいたいと思っている。

 私が年賀状に殊更拘るようになったのは、今年創立150周年を迎えた幕張小学校の恩師、湯浅和先生の影響が大きい。今でこそパソコンでイラストを描くようになったが、小学校卒業時から若きサラリーマンだったころまでは、湯浅先生の教え通り、毎年彫刻刀を使って版画の年賀状を仕上げて送っていたものである。明後日には知人から届く年賀状を心待ちにしている。

2021年12月30日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com