5337.2021年12月22日(水) 過去最大の補正予算成立

 国会は、一昨日過去最大の補正予算、36兆円弱を成立させて昨日閉会となった。コロナ禍で多事多難の国会を第2次岸田内閣は何とか乗り切ったと言えるのではないか。辛口の朝日新聞の世論調査でも岸田内閣支持率は上昇している。これは、菅内閣が政権末期にあまりにも不人気であった反動もあるのかも知れないが、新内閣のスタートとしてはまずまずではないかと思う。

 ところでその過去最大の補正予算については、コロナ対策を隠れ蓑にしたバラマキの趣がある。実際2019~20年度に総額65兆円余のコロナ対策予算を編成したが、この内1/3を今年度へ繰り越して、会計検査院が問題を指摘したほどである。きちんとその年度内に必要な支出だという必然性より、取り敢えず取れるものなら取っておき、余れば無目的でも来期に支出出来ると好い加減な皮算用の予算申請なのだ。

 その他にも防衛費にも補正予算としては過去最大の7738億円を計上した。22年度予算概算要求額5兆4797億円で盛り込んだ主要整備品を前倒しで購入するためのようだから、来年度概算要求額にかなり自由に使える予算が残るということになる。これでは予算管理がきちんと出来ているのか首を傾げたくなる。コロナ同様に防衛費も底なしの状態である。

 1987年に国民総生産(GDP)の1%を防衛費として要求することを自民党政権が身勝手に決めて、そのルールだけは守ってきたようだが、近年はその1%枠を一気に2%にまで引き上げようとの意見が、高石早苗政調会長をはじめ自民党内には蔓延っている。すべてアメリカに顔が向いているからだ。そこへ2022年度以降の5年間の在日米軍駐留費負担(思いやり予算)について年度平均2110億円でアメリカ側と合意したと発表した。今年度予算を約百億円上回っている。この他アメリカから購入する多額な軍事物資は毎年増える一方である。

 しかも昨夜の岸田首相の記者会見で、これまで1978年当時の金丸信・防衛庁長官が、在日米軍基地で働く日本人従業員の給与の一部を日本側が負担することを決めたことに対して、その当時日本共産党が皮肉っぽく「思いやり予算」と呼んで以来この呼称が定着した。それを首相は、今後日米同盟の抑止力・対処力を一層強化することを目的にした「同盟強靭化予算」と呼ぶと説明した。あくまでその先には「アメリカ」があるのだ。日本の国家予算の中には、アメリカに忖度した経費が堂々と、かつ明確に計上されることになっている。

 新型コロナウィルスでも今流行している新変種㈱オミクロンが、沖縄の米軍基地内の従業員に感染していることが分った。米軍基地内にはコロナ感染者が200人もいるという。玉城デニー・沖縄県知事が当分の間アメリカから米軍関係者を直接基地に入国させないことや、キャンプの米軍兵士を基地から外出させないことを及び腰ながらアメリカ、及び日本政府に要請した。アメリカ軍は沖縄県民の気持ちを分かってくれるだろうか。それにしてもまだ戦後は終わっておらず、日本はアメリカの占領下にあるのではないかと時折思い知らされることがある。

 これは別件であるが、昨日公表された小田急系の「HOKUO」の閉店と足並みを揃えるかのように、今日東急グループもホームセンター・雑貨店をチェーン展開する「東急ハンズ」89店舗をホームセンター大手の「カインズ」に売却すると公表した。ここにもコロナ禍の影響が表れている。

2021年12月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com