5323.2021年12月8日(水) 戦争は忘れられたのでは? 開戦記念日に想う。

 80年前の今日太平洋戦争が海軍によるハワイの真珠湾攻撃、及び陸軍によるタイのシンゴラ、マレーのコタバルへの上陸作戦によって開戦の火ぶたが切られた。私はまだ3歳だったので、記憶にはないが、翌年家族が兵庫県芦屋市へ転居した後のことはかなり覚えている。よく近くの学校(現芦屋高校)の空襲を知らせる警戒警報の半鐘が鳴り響いていた。その後房州勝山町(現鋸南町)で終戦を迎えたが、ここでは度々米軍機の襲来で防空壕に避難したことが強烈な印象として残っている。その後30年ばかり経過して、戦友会の戦跡慰霊団や、厚生省主宰の戦没者遺骨収集事業に携わるようになり、戦争とは切っても切れない関係になった。

 戦争を回顧するテレビ番組などを観ていると、絶対2度と戦争はやってはならないという反省の声が繰り返される。だが、今の安穏とした時代になってかつての悲惨な戦争は忘れられたのではないかと思うことがよくある。一般の人びとの感覚はもとより、実際の政治の世界では、自衛力を増強し、戦争放棄を謳った現行憲法を蔑ろにしたような言動が高まりつつある。実に怖く悲しいことである。

 最近政治の世界で防衛費の増額とか、アメリカへの配慮でアメリカから軍事物資の購入を主張する政治家が多くなった。とりわけ高市早苗・自民党政調会長は、先の総選挙前に計上予算の内国防費の増額を求め、それは2兆円規模に上るものだった。彼女はいずれ総理大臣を目指すと語っているが、こういう超保守的政治家に一国はとても任せられない。

 いつも靖国神社に参拝しているようだが、遺族会や、戦友会が行う慰霊祭で戦没者のご遺族の近くで身近に立ち会ったら、いかに戦争で身内を失うことが悲しいかが分ると思う。仮に戦争になっても自らは戦地に行く可能性がない人には、臨場感が分からないのだ。そういう人物が好戦的な言動を行うことは、戦没者に対しても失礼極まりないと思う。

 さて、昨日‘Google Search Console Team’からいつも通り11月の本ブログ・アクセス数の結果をメールで教えてくれた。アクセス数1位は、2013年9月12日の「川勝平太・静岡県知事のやりたい放題」だった。その年の6月に知事に再選され自信過剰で思い上がっていたのか、全国学力調査で静岡県の小学6年生の国語の成績が全国で最下位だったことに憤慨し、成績の下位100校の校長名を公表すると公言して顰蹙を買ったことについて書いた。早大教授時代には、事務局の女性にセクハラを犯したり、最近も総選挙で浜松市の候補者を応援するために、ライバル候補者の出身地である御殿場市を愚弄するような表現をして不評を買った。そしてその直後に美人は仕事が出来ない方が良いような比喩を述べて非難されたばかりである。どうもこの御仁は失言、放言が抑えきれないようだ。こういう非常識で、教育者とも思えない人物が県立大学学長を務めていたナンセンスにも呆れるばかりである。

 なお、アクセス数2位は、19年4月4日の「日本ペンクラブの不条理な言論抑圧」であり、第3位は07年10月5日の「元全学連書記長・清水丈夫さんの思い出」だった。これは、一昨年高校ラグビー部の先輩・清水さんが半世紀ぶりに世間へ姿を見せた時、メディアが大騒ぎで報道し、そのことを書いた。それ以来毎月この項目がトップだったが、漸く3位に下がったほどである。ある面で、いかに清水さんが非凡であるかを物語っていると思う。

 このように拙稿に多くの方が目を通していただいたことに感謝の気持ちである。世間をしっかり見て、真実を見極め、本音をきちんと書きなさいと激励されていると考えている。

2021年12月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com