5317.2021年12月2日(木) オミクロン感染で多くの課題

 南アフリカで検出された新型コロナウィルスの新種変異株「オミクロン」が、各国に拡散し始めた。日本でも昨日ナミビアの外交官が第1号と判定されたが、それ以前に入国していたペルー人がオミクロン第2号と判定された。

 コロナの感染者は着実に減り続けているが、オミクロンの出没で第6次緊急事態がやってくるのではないかと懸念の声も聞かれる。国交省は、昨日航空会社2社に対して日本行の予約を停止するよう求めていたが、それだと年末に帰国を予定している海外在住者が帰国出来ないことを考慮して政府は急遽方針変更して日本人については取り止めた。お隣の韓国では、コロナの感染者数が盛り返して過去最大の感染者が記録される日が続いていたが、昨日オミクロン感染者が5名判明した。アメリカでも1名感染者が判った。それにしても各国、各都市にコロナの与える影響は計り知れない。

 今月9日に大阪で開催予定だったフィギュア・グランプリファイナルが中止に決まった。来年2月開催の北京冬季オリンピックの選手選考も兼ねていたので、開会が迫っている中で、対応が難しいようだ。

 視点はずれるが、こんな統計もある。森記念財団都市戦略研究所が、毎年発表している「世界の都市総合力ランキング」というのがある。最近発表された2021年版によると、総合ランキングは6年連続で第1位ロンドン、5年連続2位でニューヨーク、3位東京、4位パリ、5位シンガポールとなり、このところスコアを伸ばしていたロンドンとニューヨークの勢いが止まり、3位東京と4位パリが追い上げているという。その原因としてコロナが影響しているようだ。

 特にロンドンは、「航空旅客数」が下落し、「交通・アクセス」、「経済」でも従業者数の減少などによりスコアを落とした。ニューヨークは、「経済」、「研究・開発」を伸ばしたが、ロンドン同様にコロナの影響で「交通・アクセス」が苦戦して、「居住」部門が大きく落ちた。

 その一方で、東京は「働き方の柔軟性」で昨年の41位から2位に大きく改善され、「居住」は12位から9位にまで順位を上げたことが3位維持に大きく寄与した。

 以下ランキング上位都市に、8位ソウル、10位上海、17位北京、36位大阪などが入っているが、日本の都市では42位に福岡が入っているだけで、横浜、名古屋、札幌、京都などが45位以内に入っていないのは、何とも残念である。

 いずれにせよコロナが各都市の経済、社会、観光面で大きな障害となったことは事実である。何とか目に見えないコロナを絶滅させなければ、未来は開かれて来ない。それにつけてもいつもまたか、やっぱりと思わせるのが欧米人のコロナ現象である。オミクロンが検出される前の最近ベルギー、ドイツ。オランダなどで政府が打ち出した厳しいコロナ対策に対して、群衆がデモ隊となって猛反対していたが、このオミクロン発症により、デモは収まってしまった。各政府もホッとしているのではないだろうか。政府がロックダウンに近い制約で押さえつけようとすることに対して、民主化抑圧と言って庶民はすぐ反対行動を起こす。しかし、もっとマスクを着用するなど、コロナ防止のために身近に出来ることはいくらでもある筈である。この辺りが比較的おとなしく自分のためばかりでなく、周囲への感染を配慮して思っていても自分の為だけでは直接行動に移さない日本人とは大いに異なる。国が異なると国民の言動の表し方は随分違うものだと改めて思う。

2021年12月2日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com