5277.2021年10月23日(土) 芥川龍之介著「蜘蛛の糸」を懐旧する。

 毎月定期的に診てもらっている糖尿病クリニックの医師が、4日前に東京医療センターの血液検査表の数値HbA1c「6.4」を見て、これまでの経過観察からもほぼ回復したようだと仰り、今日は前回検査からあまり日時が経っていないからと、敢えて血液検査を行わなかった。幾分気分を良くしてその足で久しぶりに妻と二子玉川の高島屋へ買い物と食事に出かけた。

 玉川高島屋には時折立ち寄る紀伊国屋書店がある。今日は幼い孫たちのために3冊の書物を購入した。小学5年生男子の孫に、芥川龍之介の短編「蜘蛛の糸」を買い求めた。実は、「蜘蛛の糸」については強い思い込みがある。母校である千葉市立幕張小学校が本年創立150周年を迎えたが、過日同校校長より来年記念誌を発行するので、寄稿して欲しいと依頼された。取り急ぎ、先日800字の拙稿を書いて送ったところだが、文章は幕張小と恩師へのノスタルジアを綴ったものである。恩師は当時から胃潰瘍を病み、あまり健康ではなく残念ながら定年前に亡くなられたが、生徒への愛情と教育への熱意は素晴らしく、尊敬出来る立派な先生だった。5年生時に、前記の「蜘蛛の糸」を朗読してくれて、その抑揚ある読み方がとても印象的で、芥川作品の素晴らしさもあって生徒は語り口に引き込まれたものだった。以来クラス会の都度、恩師の語り口を物まねする仲間がいたものである。その後父に「蜘蛛の糸」を買ってもらい、暗記するくらい熱中した。今日改めて読み直してとても懐かしく思った。特に冒頭部分の「ある日のことでございます。お釈迦様は極楽の蓮池のふちを、ひとりでぶらぶらお歩きになっていらっしゃいました。~」の件は、ふざけ半分にクラスの皆で大きな声で真似しながら朗読したものである。

 実は、創立150年記念誌の拙稿は、恩師が授業で思わせぶりに声色を使いつつ面白おかしく朗読したことについて、他の話題とともに書いた。それについて恐縮だが同校教頭より感動的だったと電話をいただいたので、書いて良かったと密かに感じた次第である。

 さて、昨日の終電後からJR山手線池袋・大崎間の内回り線が渋谷駅のホーム拡張工事のため明日の終電まで運休となり、再開は明後日の始発からとなる。元々通勤客を主に利用者の多い路線だけに、振り替え輸送を行うにしてもかなり支障が出たのではないかと推察する。鉄道工事というは、いかなる大工事でも電車が運行されない夜間に行われ、原則として電車を停めないというが大前提だったと思うが、2日以上も停止するとは意外だった。JRとしても初めての実験のようだ。いずれ外回りも行われるということである。今回はJRの公告が遅かったために知らない乗客が多く、随分不自由を味わわされたようだが、これだけの大工事なので、JRももう少し早めに告知して利用者の不便を回避して欲しいものである。

2021年10月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com