5276.2021年10月22日(金) コロナ時短解除とタリバンの会議出席

 このところ新型コロナウィルス新規感染者重症者の数が減少し、一時1日に全国で6千人近い感染者が発症したが、今日は325人、重症者も最大で2,300人前後だったが、これも217まで減った。当初やや遅れていたワクチン接種が、その後接種率が順調に上がり全人口の76.1%が1回目の接種を終え、2度目の接種を終えた割合は、68.6%にまで上がったことが新規感染者を減少させた大きな原因のようである。コロナにより個人外出自粛や、商店や飲食店の営業自粛などで経済活動も沈んで、すべての面で希望や明るさが見られなかったが、これからは少しは明るい兆しが見えるようになると期待している。

 幸い最近の感染者漸減傾向に沿って、緊急事態宣言解除後も残っていた飲食店への営業時間の短縮や、酒類提供の自粛などの動静を慎重に見ていた京都府と兵庫県は、今日時短を解除した。東京都と大阪府、及び首都圏3県では、来る25日から全面解除することを決めた。ただ、感染の恐れが完全に払拭されたわけではなく、リバウンドには引き続き注意する必要がある。テレビの取材で飲食店関係者は恐る恐るながらも一様にほっとした表情を見せている。これまでの苦労が偲ばれるというものだ。それでも個人的にあまりマスクを着用しないイギリスでは、最近ぶりかえして連日1万人の新規感染者が発症しているようだし、昨日は1千人の死者が出た。国によって随分対応が異なる。油断はならないが、取り敢えず日本国内では、かつての日常が戻ってくることにホッとする。

 友人らとの話でも、人生でこの終末の2年間を損したとか、もうこんな疫病は勘弁して欲しいと悲鳴が出てる。

 さて、アメリカ軍がアフガニスタンから引き揚げ、アフガンでは過激派組織タリバンが実権を握ってから2か月余が経ったが、現地での状況はなお混乱が続き、社会情勢も不安な状況に置かれているようだ。そもそもこの国は国家として機能しているようには見えない。アメリカが、手を引いてからはヨーロッパ諸国ともどもアフガン情勢に関与しなくなった。一方で、アフガン国内ではタリバンともう一つの過激派組織イスラム国(IS)との対立もあり、治安は乱れるばかりである。国連が仲介しようにも、安保理事会ではいつも中国とロシアの反対により行動を起こせない。

 そんな折も折、一昨日モスクワでロシアが主催する多国間会議が開かれ、意外にもそこへタリバンが出席した。国家の体を成していないアフガンからタリバンが参加したというのも理解出来ないのだが、ロシアは米欧に対して戦略的パートナーの中国とともに、アフガン統治と支配で主導権を握ろうとの思惑があるからだと思う。この会議に出席したのは、中ロ及び両国と何がしかの関係がある周辺国ばかり10カ国である。各国が外交ネットワークを拡大しつつある世界的な動きの中で、近年疎外されつつあるロシアと中国が中心となる外交ネットワーク再構築の第一歩でもあるようだ。しかし、会議参加国がタリバンに対して、暫定政権の主要ポストをタリバン以外にも分けて包括的な政権作りを求めているが、タリバンはすでに武力で少数民族を押さえつけており、今更権力を分ける意向はない。タリバンは、32年前にアフガン国内を武力侵略したロシアの思惑通りに動いてくれるだろうか。

2021年10月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com