5234.2021年9月10日(金) 緊急事態宣言延長の一方で、緩和のところも

 東京都内では、このところ日々新型コロナウィルス新規感染者数が減少しているが、重症者数や、若者の感染者が増えていることもあり、医療現場は逼迫して警戒はまだ緩められない。明後日まで27都道府県に発出されていた緊急事態宣言を引き続き、19都道府県にそのまま緊急事態宣言を、そして8県はまん延防止等重点措置発出に切り替えて今月末まで実施することにした。

 ワクチン接種が浸透して、昨日時点で65歳以上は1回目89.5%、2回目87.8%の接種率である。全人口の割合では、1回目54.6%、2回目43.4%の接種率となっており、11月上旬には希望者はほぼ接種を終える予定だという。問題はその後である。接種率の上昇につれて感染者も減り、重症者が減れば結構だが、油断出来ない。ワクチン接種が早かったイスラエルでは、2回目の接種を終えて安心したのか、再びリバウンド状態となり、最近になってブースターと言われる3度目の接種を始めた。

 デルタ株が悪性で感染率を増加させたが、また新たにミュー株という新種が現れた。この様子では、収束するのはまだ当分先のようだ。一方で、宣言は延長されるが、その中で行動を緩和することである。気になるのは、都市の歓楽街などで人流、特に夜間の人出が増え続けている現象である。このまま人出を放置しておけば、ワクチン接書が効果を上げようとも感染者は減らないのではないか。国と自治体は、これをどう見極め、有効な手を打つことが出来るだろうか。一部には、来月以降の衆議院選を控えた選挙にらみで緩和に踏み切る自治体が増えるのではないかと心配されている。

 そんな折、EUでは観光など不要不急の目的でのEU域内への渡航を認める「安全国リスト」から日本を外すと決め、発表した。これについては、1月にも日本は外されたが、6月に「安全国」に認定された。海外からはこのように安全な国とは見られていない。ワクチン接種割合が高まっても、対象地域での行動制限の緩和にはよほど注意する必要がある。

 さて、今月中に首相を辞める菅義偉首相は、昨日記者会見で在任1年を振り返ってコロナについては、「暗いトンネルの中を手探りで進んでいくことにも似た困難だった」、「医療体制を確保することが出来なかったのは大きな反省点」と語っていたほど、コロナの感染拡大に悩まされたことが理解出来る。これを引き継ぐ日本の総理大臣史上100人目の首相になるのは誰か。そしてその首相は、コロナ禍に対していかなる方策で対処しようとするのか、ぜひ前向きなポリシーを発表してもらいたい。

 午後予定されていた河野太郎・行政改革担当大臣が自民党総裁選への立候補を表明した。3人目である。すでに立候補を表明して連日テレビに出まくっている岸田・前政調会長や高市・前総務相は原発容認派であるが、河野氏は脱原発を唱えた。だが、その説明は歯切れが悪い。自民党内では少数派で、正面切って国民に脱原発をアピールすることが出来るかどうかが、河野氏にとっては勝負どころである。

2021年9月10日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com