5219.2021年8月26日(木) 地球温暖化をもたらした米中の責任

 今日も暑い。東京都内でも35.7℃の猛暑日となった。東京、否日本だけではなく、今や世界的な温暖化現象である。先日イタリアのシチリア島でヨーロッパ最高気温の48.8℃を記録したが、このほど北極圏にあるデンマーク領のグリーンランド最高地点で観測史上初めて雨が降ったことが発表され話題になっている。同地域は夏でも気温が低いため通常は雪になるが、摂氏零度を超える気温が長く続くと雨になるという。今回は摂氏零度を9時間も継続して上回っていたという。アメリカの雪氷データセンターの専門家は、これをグリーンランドが急速に温暖化している証拠だと指摘した。

 近年世界各地で地球温暖化現象が表れ、その大きな原因として二酸化炭素ガスの過剰な排出によるものだとして、「国連気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が人類に対する限界警報を警告として発している。ところが、その排出規制を話し合われながらも、各国の利己的な思惑に左右され思うように話がまとまらない。特に最大2大排出国である、中国とアメリカが、気候温暖化と排出ガスは直接関係ないと自国経済の後退を懸念して本腰を入れて問題解決に当たる気がない。

 IPCCの第6次評価報告書によれば、1900年以前に比べて現在の気温は、1℃上昇しているが、これによって干ばつは1.7倍、豪雨は1.3倍増えたとされている。今夏は国内でも九州方面を中心に豪雨被害が多かったが、これが更に1℃上昇した場合には、熱波は19世紀に比べて5.6倍、干ばつは2.4倍、豪雨は1.7倍増加する、ぞっとするような数値が予測されている。

 二酸化炭素ガス排出の2大国である、中国とアメリカが排出を規制しなければ、本質的には問題は解決しない。米中両国の責任は重大である。それにつけても最近の両国の動きを見てみれば、いかに自己本位で動いているかということが見て取れる。

 例えば、直接人類を破滅させる武器とは異なり地球温暖化排出ガスに対する警戒より、目の前の殺人に対する国民の警戒心の方に目が行って、アメリカはアフガニスタンのタリバン勢力の行動に目を向けさせている。アメリカの猿芝居により、アフガンでは首都カブールを主に国内は混乱の極みである。軍隊の撤退に当たっても、自国国民の退避を優先的に配慮し、その後に他国人の退避を考えるアメリカ人の身勝手な魂胆が見られた。地球は大国によって汚され、これによっていずれ人類は滅ぼされる。中国とて似たような考えである。地球温暖化ガスの世界最大量を排出し、アメリカのアフガン駐留軍兵士の撤退に合わせて、タリバンとの話し合いを持ち、アフガン駐留の優位な条件を手に入れようとしている。

 人はとかく自分勝手に有利になるよう行動し勝ちであるが、国家とて同様である。しかし、それが他に不利益を与えるようになっては、黙ってはいられまい。それが戦争の発端となる。今アメリカと中国は、相手国の弱みにつけ込んで有利な条件を獲得しようと虚々実々の駆け引きを繰り返しているところだ。現状では、中国とアメリカが他国の安定、平和を考えるようにならなければ、残念ながら世界から争いは消えないだろう。

2021年8月26日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com