5216.2021年8月23日(月) アフガン脱出とカジノ拒否

 慌ただしいアフガニスタン情勢だが、一昨日イギリスのブレア元首相が、アメリカのアフガンからの撤退は「悲劇的、危険で不必要だった」と批判した。ブレア氏は9.11同時多発テロ時に首相を務め、アメリカのアフガン軍事作戦参加を決断した。ブレア氏は「永遠に続く戦争 ‘the forever wars’ を終わらせるというアメリカの愚かな政治スローガンに従った」と述べて、バイデン大統領のアメリカ軍撤退行動を強く非難した。ブレア氏が、盟友アメリカを厳しく批判したのは、9.11テロ直後にアメリカのアフガン軍事作戦参加に国内から対米追随との批判を受けながらも、イギリス首相として参加を決断し、それでいて今回の撤退に際してアメリカから何の相談も受けていなかったことに不満を覚えたからであろう。

 アフガンでは、イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握し、タリバン№2のバラダル幹部が一昨日首都カブールへ入った。新政権の構想を実行に移すことによって、本格的にアフガニスタン国内を統治する動きを見せることだろう。

 アフガニスタンでは退避が加速している。避難民の国外脱出は日増しに増え、アメリカは軍輸送機だけではなく民間航空機まで使用している。イギリス、フランス、ドイツの駐留軍兵士らも軍輸送機により順次アフガンを去っている。アメリカとしては受け入れ避難民が多く、その輸送、受け入れ問題も簡単には行かない。当面アメリカ軍基地に一時収容する意向のようだが、その数もかなりに上りアメリカ国内の収容所も一時的には収容しきれず、日本や韓国の米軍基地も一時収容先として検討されている。更に、日本人のアフガン在留者や日本大使館スタッフらを日本国内へ輸送する手段として、政府は今日自衛隊法を適用して自衛隊航空機の派遣を決定し、今夕早くも1機が航空自衛隊入間基地を飛び立った。これは、南スーダンに自衛隊機を派遣して以来のことであり、自衛隊にとって4度目のことである。

 さて、昨日行われた横浜市長選挙で、立憲民主党ら野党の支持を受けた医師山中竹春氏が自民党の推す候補者らに圧勝したことが、この秋自民党総裁選挙、及び衆議院議員任期終了に伴う衆議院選挙を控えて、党内に菅首相への不信感や、衆議院議員選挙に向けた臆測や思惑が渦巻いている。

 つい最近まで医療関係者を除いてほとんどその名を知られていなかった山中氏が、分裂状態の自民党を相手にして現職大臣や現職市長に圧勝したことが、自民党支持層にとっては大きなショックだったようだ。首都圏に外国人観光客を対象にカジノを開設して外貨をいただこうとの目算は完全に狂ってしまった。

 それにしても菅首相の支援を受け、閣僚の座まで捨てて挑んだ地元出身の小此木八郎氏がこれほどあっさり敗北するとは予想外だった。穿った見方だが、選挙対策としてIRリゾート法に反対を唱えても、当選してから賛成に鞍替えするのではないかとの憶測があった。真偽のほどは分からないが、小此木氏の性格を選挙民に見抜かれたのではないか。所詮父親の地盤を引き継いだだけの世間知らずの世襲議員だったと言わざるを得ない。

 東急東横線沿線に住み、横浜へはすぐ辿り着けるだけに、仮にカジノが開設されたら東横線車内には賭博帰りのばくち打ちと顔を合わせるようなことがあるかも知れない。その点で、昨日の横浜市民の良識により、賭博の匂いを嗅ぐ可能性がなくなっただけでもホッとしている。

2021年8月23日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com