5201.2021年8月8日(日) オリンピック東京大会無難に閉幕

 7月23日に開幕したオリンピック東京大会も今日閉会式を迎えた。数日前から南方洋上に発生した3つの台風が日本を取り巻き、今日も時々激しい雨が降った。幸い今日の競技が台風の影響を受けることはなかった。閉会式は午後8時から行われたが、日本的に変わった趣向も盛られて中々印象深いものだった。小池知事からバッハ会長の手を経てファッションの本場からやって来られたパリジェンヌのイタルゴ市長へオリンピック旗が手渡されたが、水色の留袖の小池知事の明るい色合いに比べて、ディオールの黒っぽいロングドレスを召された市長は、ややくすんで見えた。最後に次回会場のパリから送られてきた映像では、歓迎の気持ちを表そうとしたのだろうが、ソーシャル・ディスタンスにまったくお構いなく人びとが密集していたのが、若干気になった。

 今も燻っているオリンピック返上論や、中止の声がある中をとにもかくにも幕を閉じることが出来た。幸い開催が1年延期され、新型コロナウィルスの感染が拡がる中で、無観客という異例なケースだったが、大会の運営は大きなトラブルもなく終わった。ただ、懸念されていたコロナ感染者は、予想以上に増え続け、開会式当日には4,199人だった全国の感染者が、今日は14,472人だった。昨日に次ぐ過去2番目の多さである。オリンピックを警備する全国から派遣された警察官が49人も感染し、参加した選手のうち29人も感染した。菅首相は人流が減ったとコロナとオリンピックの関連を気にしていないようだが、感染者は確実に増えた。

 年間で一番厳しい猛暑の時期に行われた競技は、事前に十分な暑さ対策が指摘されていたが、初めて知る日本の夏の蒸し暑さに外国人アスリートも閉口していたようだ。その結果大会中に試合開始時間が変更されたことが、しばしばあった。屋外競技にとって最悪の暑い盛りに大会を開催し、競技自体もアメリカ国内で観やすい時間帯に行われていたことは、国際オリンピック委員会(IOC)の都合というより、テレビ放映権料を餌にしたアメリカのメディア・NBCの都合によるものであるが、選手の健康を配慮しないスケジュールが大会関係者やテレビ視聴者にとって妥当かどうか、今後慎重に検討されるべき課題である。

 開会前に心配されていた不祥事や、事故などが見られず、選手村が隔離されるような管理が難しい状況で何とか実施出来たのは、まずまずだったと言っても好い。参加したアスリートの協力、ボランティアらの奉仕などにより無事開催出来たものと思う。それに加えて日本人の細かい点に配慮する几帳面な性格や親切さが、このような結果をもたらしたものだと思う。

 日本チームとしても獲得したメダルの数は、過去最多で金27、銀14、銅17個の計58個で、金メダル獲得数は、アメリカ39、中国38に次ぐ第3位だった。

 前記の高額な放映権料のため、テレビ会社では出費が広告収入を上回り、各社とも赤字に頭を抱えているという。その放映権料は、来年開催される北京オリンピック分も包括しているため、再び北京でも赤字が予想され、各テレビ会社では2021年度下半期の経営は厳しい決算になると予想されている。

 ともかくオリンピックは、開会直前にいくつもの難問が噴き出し、それでも幸運にして有終の美とは言えないまでも大きな問題もなく終えることが出来た。まだまだコロナ禍が拡がっている。その最中に今月24日から開催されるパラリンピックが、無事に開催出来るだろうか、一抹の不安は拭えないが、大きなトラブルもなく9月5日に閉会式を迎えられるよう願っている。

2021年8月8日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com