5197.2021年8月4日(水) コロナ感染拡大に政府が方針転換

 暑さとオリンピックが加速するに連れて、新型コロナウィルスも感染が一層拡大している。医療体制崩壊が懸念されているが、新規感染者の数は増える一方で、全国では連日新規感染者が1万人を超え、今日は過去最多の14,207人だった。東京でも過去最多の4,166人でこの1週間平均は3,478人となり、これは先週の平均に比べて178%である。関東では8日連続で千人を超えた神奈川を除く8都県が過去最多となり、8県にまん延防止重点施策が実施されることになった。

 昨日政府はコロナ患者が急増する地域で、入院を制限する方針を各自治体に対して要請した。コロナの拡大に手が負えなくなった政府が、医療体制に具体的な方針を呈示するのではなく、感染急増地域での入院を重症患者や重症化リスクの高い患者に限定することを呈示したのだ。これによって従来入院と判断された中等症と軽症の患者は、リスクが低い場合は原則自宅療養とするよう求めている。一般家庭で中等患者を看護し続けることは大変である。自宅療養している患者の容体が急変したら即座に対応できるのか。また重症と中等症の線引きをどこがどう行うのか、政府は各自治体に任せたいようだが、早や馬脚を表したようだ。政府、厚労省は医療崩壊が近づきつつある実態に直面して賢明なる次の手を打てず、ついに音を上げて自治体に事態収拾を委ねたと言っても好い。国家が全国民のことを考えない責任逃れである。流石に野党からは方針の撤回を求められたが、菅首相は、やんわりと拒絶した。

 ところで、1日付朝日朝刊によると中国でもデルタ株による感染が拡大して南京市周辺を封鎖して全住民920万人のPCR検査を行っているという。首を傾げたくなるのは、その記事の隣に、アメリカのジョンズ・ホプキンズ大学公表の「世界の新型コロナ感染者」が数字で掲載されていて、それによると南京で急速に感染者が増えた日に公表数字ではその兆候がまったく窺えず、相変わらず中国の新規感染者は1日に精々150人程度で、死者はこの1か月間ただの1人としていないということである。

 世界で毎日約75万人が感染し、約8千人が亡くなっている現実に、世界一の人口を誇り、コロナ発祥地である中国で死者が1人もいないという統計数字を、どこまで信じたら良いのだろうか。朝日には自紙記事と公表数字との整合性と事実関係を説明にしてもらわなければいけない。

 中国には、世界の衛生保健上正確な数字を世界保健機関(WHO)へ報告する責任と義務がある。その肝心な数字を政治的な思惑と駆け引きに利用して、正確性とは程遠い数字を発信するようなことがこれまでにも度々あった。間違った統計を国際機関に伝えるようでは、国家としての責任を果たしたことにはならない。中国は正確な数字を公表していると言うだろうが、中国で1か月間に1人もコロナ死者がいないなんてことを信じる者はいない。中国は数字上一向にコロナ感染者が増えない疑念のある現実を直視して、世界に対して自らの説明責任を果たすべきである。

2021年8月4日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com