5196.2021年8月3日(火) オリンピックの話題いろいろ

 今日も暑い。その最中に行われているオリンピックの陸上競技で次々と世界記録が誕生している。

 しかし、その一方で問題も多いようだ。特に、ベラルーシの女子陸上100m出場選手が帰国を拒んで亡命を望み、ポーランドが亡命を受け入れる用意があると公表した。ベラルーシは、強権的でとかく問題の多いルカシェンコ大統領が27年間も実権を握り、政治ばかりでなくスポーツやメディア行政も支配して、ベラルーシ・オリンピック委員会会長も務めている。オリンピック・チームへの高圧的な発言も選手たちに負担となっているようだ。東京大会でもいまひとつ成績が勝れないことに対して、チーム役員、選手らにメダル獲得へのプレッシャーをかけている。これに対して役員・選手の間では、賛否両論に分かれ、亡命を望んだ選手はこれまで反体制的なコメントをSNSで発信してきた。そのことに政府が同選手の帰国命令を出した。これについて選手は帰国すれば逮捕される恐れがあるとして第3国への亡命を求めたという経緯がある。

 一方、こんな珍しい話題もあった。一昨日陸上男子走り幅跳びで同記録により首位に並んだ2人の選手が最終決戦に挑まず、ともに金メダルを獲得する結果となった。本来なら1位決定戦を行う筈だが、2人が同意のうえで競技が終了となった。ルールには「当該競技者がもうこれ以上跳躍しないと決めた場合を含み、1位決定戦が実施されない場合、2人同意の上で競技が終了し第1位となる」とある。このことは寡聞にして知らなかったが、夕刊の見出しにも「『金は1人』の常識 2人で乗り越えた」とある。表彰台でも2人が中央の優勝者の壇上に立ち、国歌は、2人の母国であるカタールとイタリアの順に演奏された。ゴールド・メダリストが2人もいるなんて、何となく奇妙で受け入れがたいが、これもオリンピックのモットーである多様性と調和であろうか。

 かつて、小学校の教科書で似たような例を学んだことがあった。ベルリン・オリンピック棒高跳び決勝で、西田修平、大江季雄両選手が同記録で2位と3位になり、これを2人は同じ日本人同士だからこれ以上争うのは止めようと2人で銀メダルと銅メダルを分かち合った話が美談として伝えられたくらいである。

 その他に、当初最も不快な話題になっていたのが、SNSによる選手に対する誹謗中傷だった。体操男子個人で優勝した日本の橋本大輝選手への中国国内からの悪質な誹謗に対して、中国から謝罪コメントが寄せられたほどである。これに対して優勝を逸して2位に終わった中国の肖若騰選手が、過度な攻撃は止めて欲しいと呼びかけ、日本の水鳥監督が感謝の意を述べて場外からの攻撃を日中代表が共同で払いのけたことが爽やかな印象を与えた。

 世界のスポーツの頂点であるオリンピックには、多種多様な話題があり、観客がいなかろうと大いに盛り上がる。明日以降もまだまだ楽しめそうだ。

2021年8月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com