5177.2021年7月15日(木) コロナ禍の中でオリンピックは大丈夫か?

 12日に新型コロナウィルス感染拡大防止のため4回目の緊急事態宣言が発出されてから皮肉なもので、連日新規感染者の数は増えるばかりである。今日東京都内の感染者は2日連続で千人を超え、1,308人だった。全国的にも昨日3,192人、今日は3,418人で連続して3千人を超えてしまった。こういう時にオリンピック開催まであと8日となり、各国から代表選手団が次々に来日している。しかし、選手たちのオリンピック村入村式は、いつもなら派手に行われるところだが、今回は歓迎ムードの入村式も行われない。彼らの入国に際しては、空港の水際作戦でコロナ防止を心掛けているが、やはり懸念されているようにコロナ陽性者が入国して来ている。

 ほとんどの競技会場で無観客のまま競技が行われるが、宮城県で行われるサッカーの試合に無観客を要望している仙台市長他の反対に対して、宮城県知事はあくまで上限1万人の有観客で実施の考えを強調している。オリンピック開催に対して中止の声が多かったが、ここでは有観客か、無観客かでまだもめている。昨日バッハIOC会長が菅首相と会談した折に、バッハ会長は首相に改めて有観客を要望したそうである。バッハ会長としては、少しでも平常通りの開催に近い形で実施したいようだ。国内には考え方においてオリンピックがらみの対立があちこちで生れている。本来の世界平和と友好をモットーとするオリンピックの精神が歪んでしまっているようだ。

 ついては、オリンピック憲章により開会式における開会宣言は、東京大会では天皇が行う。今回も過去の大会に倣い天皇が宣言する予定であるが、皇后雅子妃殿下や他の皇族方は同席しないことになった。

 昨日アメリカで行われ、マスクを着用しない6万人もの観客で大いに沸いたMLBオールスター・ゲームに引き比べて、何とも盛り上がらない静かな東京大会開会式になりそうである。

 さて、6月号?であったか、「NATIONAL GEOGRAPHIC」誌が付録として11年前に日経BP出版センターが発行した片手に収まる「CULTIVATION PROGRAM」なる小さな手帳を送ってくれた。32頁程度の記帳式のものだが、52もの課題は中々ハードである。「1年間で52の課題に挑む」としてビジネスマンが恥ずかしくない教養を身に着けるための努力目標手帳のようなものである。読むべき本、観るべき映画、見学すべき文化施設等々はともかくとして、「懐石料理を食べてみる」「日本庭園を訪ねる」「ワインショップでワインを買う」「風呂敷で物を包む」「専門店で食器を買う」「着物を着て街に出る」「裁判を傍聴する」「毛筆で手紙を書く」「土鍋でご飯を炊く」「中国人の知人を作る」「絵画を買う」「祭りを見に行く」等々、普段あまりやらないことを実行するよう求められている。その他に、「落語を聴きに行く」「歌舞伎・文楽を観に行く」「オーケストラの演奏会に行く」「オペラを鑑賞する」「ジャズの生演奏を聴く」「地元の歴史資料館に行く」など知恵熱で唸らされそうなくらいすごい要望が52項目もある。

 これらの課題のうち、これまでほんの4分の1程度しか実行出来ていないことが少々情けなくもある。「土鍋でご飯を炊く」なんてビジネスマンにとって必須とは思えないが、説明を読むと「スイッチ一つでできることも、あえて手間をかけると新しい発見がある。オコゲを楽しみながら、便利さの裏で失ったものを考える」と中々考えさせる言葉ではあるが、「黒澤明やチャップリンの映画を観る」のように単純ではない。特に指定された書物では、「カラマーゾフの兄弟」と「坂の上の雲」、「徒然草」ぐらいしか読んでいない。不読書は哲学書ばかりで普通のサラリーマンにとってはちょっと壁が厚いのではないか。それにしてもこんなすごい課題を52もクリア出来るビジネスマンなんて実際にいるだろうか。

2021年7月15日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com