5167.2021年7月5日(月) 東京都議会の新分布図

 昨日行われた東京都議会議員選挙の投票結果は、若干予想とは違ったが、概ね予想されていた通りとなった。4年前にブームを巻き起こして第1党となった「都民ファーストの会」が、自民党に取って替わられたが、33議席獲得の自民党に次ぐ第2党で31議席を得た。公明党が全員当選を果たし4年前と同じ23議席を獲得して第3党となった。4位は前回より1名増えて19議席となった共産党、5位は8議席から15議席へ大幅に増やした立憲民主党だった。投票日前日健康回復途上の小池知事が、応援に駆けつけてくれたことが、自民党の伸びを抑えて「都民ファーストの会」の大幅な地盤沈下を救ったとも言える。国会議員選挙と異なり都議会選挙では、「日本維新の会」と「国民民主党」の無個性的保守傾倒ぶりはほとんど評価されなかった。

 今回の選挙結果で注目されたのは、女性議員が前回より5名も増え、過去最多の41名となり、全議員127名の約3分の1となったことである。現在衆議院は、全議員465人の内女性議員47人で10.1%であり、参議院は245人中、56人の22.9%が女性議員である。毎回選挙の都度女性議員の割合は上がっているが、いずれもまだ少数である。その点では東京都都議会議員の方が国会議員の先を行っている。

 さて、このところミヤンマーの国軍統治の政府に対して、微力ながら民主派が創設した「統一政府」が少しは存在感を示している。クーデター発生時から見れば、国内で目立つような殺伐としたニュースは起きていないが、それぞれ2つの政府にとって問題が噴出している。

 ロシアへ長期訪問していたミンアウンフライン最高司令官が統治する国軍政府の兵士が、去る4月にヤンゴン市内の日本人大使館員と国際協力機構(JICA)職員の住宅に押し入ったことが判明した。明らかに外交儀礼に反し、治外法権的暴挙である。その一方で、統一政府がイスラム教徒ロヒンギャに市民権を与える方針を打ち出した。いずれもこれまでの経緯と国民感情から考えてとても考えられないことである。前者は外交上許されないことであり、後者は迫害されたロヒンギャとの融和を図るジェスチャーを示すことによって国際社会の支持を得ようという目論見のようだが、基本的に仏教国であるミヤンマーがいかに国際社会から支持、援助が欲しいからとてイスラム教徒のロヒンギャに市民権を与えることには、ほとんどのミヤンマー人が反対するのではないだろうか。いずれも一種のドサクサに紛れた解決策であまり賢明な方策とは思えない。簡単に紐を緩めるとロクなことにはならないことを統一政府の民主派幹部は心すべきである。

2021年7月5日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : mr-kondoh.com